2023年5月9日、北京のカナダ大使館の外に立つ警察官(Greg Baker/AFP via Getty Images)

カナダ 中国との「戦略的パートナーシップ」模索で罠に嵌るか 

カナダ政府が中国との「戦略的パートナーシップ」を模索する中で、資源確保を巡り中国の戦略的な罠に陥る恐れがあると、長年中国情勢を分析してきた専門家が警告している。米国の関与によりベネズエラなどのエネルギー供給源を失いつつある中国が、カナダを自国の資源圏に引き寄せ、同盟国から引き離そうとしている可能性があるという。

中国問題を専門とする分析家で、トロントを拠点とするジャーナリスト兼民主化活動家の盛雪氏は、カナダが中国共産党(中共)と重要な合意に踏み込むことで、「明白に見える戦略的な罠に落ち込みつつある可能性がある」と述べた。

盛氏によると、中共は現在、エネルギーや政治面での複数の重要な支柱を同時に失いつつある。特に、米国が関与した最近の出来事によるベネズエラ政権の不安定化や、イラン政権の深刻な内部混乱を背景に、中国は政治的コストが低く、資源供給が安定し、「通常の協力」として装うことができる新たなエネルギー・原材料供給源を緊急に必要としているという。

▶ 続きを読む
関連記事
カナダが中国製EVへの関税を引き下げ、輸入拡大が見込まれるなか、専門家が車載データの流出、遠隔操作、電力網へのサイバー攻撃、国内自動車産業への影響など安全保障・経済両面のリスクを指摘
ブラジル大統領選の第1回投票で、フラビオ・ボルソナロ氏が47.2%を得票し、現職ルーラ大統領を上回った。世論調査の予測を覆す結果となり、両氏は10月25日の決選投票で対決する
ブラジル大統領選で、ルラ大統領とボルソナロ上院議員が激突。焦点は国内の経済政策だけではない。米中、どちらとの関係をどう築くのか。レアアースなど重要鉱物も絡み、南米の地域大国の選択が世界に影響を与える
ベネズエラ各地で数百人がデモ。ノーベル平和賞受賞者のマチャド氏の帰国と大統領選実施を要求した。同氏は今年7回帰国を試みたが、実現していない
ルビオ米国務長官は9月10日、南米3カ国歴訪の最終地ペルーでフジモリ大統領と会談した。麻薬対策や移民、貿易に加え、中共による南米での影響力拡大への対抗姿勢を示した