3月4日、ワシントンのホワイトハウス内アイゼンハワー行政府ビルのインディアン条約室で、「納税者保護誓約」に関する円卓会議に出席し演説するトランプ大統領(ANDREW CABALLERO-REYNOLDS / AFP via Getty Images)

トランプ氏 ホルムズ海峡封鎖なら「20倍の攻撃」と警告

3月10日、トランプ大統領は、イランが現在、アメリカとの交渉を望んでいると明らかにした。また、イランによる自身への暗殺計画については動じる様子を見せず、民主党に対し国土安全保障省への予算拠出を求め、同省が円滑に運営できるようにする必要性を訴えた。

10日、米ライトエネルギー長官は、アメリカ軍がタンカー1隻をホルムズ海峡通過の護衛したと発表した。今後、さらに多くのタンカーが海峡を通過する見通しだ。

一方、船舶追跡データによると、約200万バレルのイラン産原油を積んだタンカーは9日にホルムズ海峡を通過し、中国へ向かったことを確認した。このタンカーは「クーマ号」で、アメリカの制裁対象リストに掲載がある。

トランプ氏は9日、イランが長年にわたりホルムズ海峡の石油輸送ルートを遮断することで他国を威嚇してきたと批判した。そのうえで、必要に応じてアメリカ軍が護衛を行うと改めて強調した。

トランプ氏は「我々は非常に良い状況にある(石油供給は十分だ)。しかし、(イランがホルムズ海峡を封鎖することは)世界の他の地域にとって非常に不公平だ。例えば中国共産党(中共)だ。つまり、我々がイランを攻撃しているのは、世界の他の地域、つまり中国を含む多くの国のためでもある」と述べた。

その後、トランプ氏はイランに対し、ホルムズ海峡を封鎖してはならないと警告し、もし実行すればアメリカの攻撃はこれまでの20倍の規模になると語った。

10日、イラン国家安全保障委員会のラリジャニ議長は、トランプ氏の暗殺を狙う複数の計画を準備していると威嚇した。

こうした脅迫は今回が初めてではないが、トランプ氏は動じていない。9日には、イランがアメリカ内に潜伏工作員を送り込んでいる問題にも言及した。

トランプ氏は「彼ら(イラン)は、この(西側諸国に工作員を配置する)ため長い間努力してきた。我々はこの問題を常に注意深く監視している」と明かした。

また、民主党に対し国土安全保障省への予算拠出を求め、こうした脅威を監視する連邦捜査官が給与を受け取れるようにすべきだと訴えた。

さらに10日、トランプ氏はFoxニュースのインタビューで、アメリカとイスラエルによる対イラン攻撃は大きな成果を挙げており、イランは現在、アメリカとの交渉を望んでいると述べた。

トランプ氏は、条件次第ではイランと交渉するとしながらも、現時点ではその必要はないと語った。

また、アメリカの交渉チームは、イランが核爆弾11発分に相当する濃縮ウランの保有を主張しているとの情報を得ていると明らかにした。さらに、もしアメリカとイスラエルが2月28日に行動を起こさなければ、イランは3日以内に両国を攻撃する計画だったとも述べた。

イランの新たな指導者について問われると、トランプ氏はモジタバ師は長く生き残ることはできないだろうとの見方を示した。

9日、トランプ氏は選挙で有権者の身元確認を義務付ける「セーブ・アメリカ法案」の成立を改めて呼びかけるとともに、共和党への寄付を発表した。

トランプ氏は「大統領になってからは寄付をしていない。大統領でいる最大の利点は寄付をする必要がないことだからだ。誰も私に資金を求めない。求めるのは私の支持だけだ」と語った。

また、「今日、1900万ドルの資金が集まったと聞いた。私は(ジョンソン議長に)これまでそんなことがあったかと尋ねたが、『いいえ』という答えだった。これは記録だが、2千万ドルのほうがもっと良いだろう、そうだろう、マイク(ジョンソン)? 彼は『そうだ』と言った。だから私は100万ドル寄付する。これは大統領就任後初めての寄付だ。これまで議会選挙のために寄付をしたことはなかった」と付け加えた。

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