2026年6月18日、フランスのヴェルサイユ宮殿にて、イランに関する覚書(MOU)に署名するドナルド・トランプ大統領(Dan Scavino/@Scavino47 via X via Reuters/Screenshot via The Epoch Times)

イラン和平合意 「一方的大勝利」の全貌

イランの専制政治を擁護する極めて少数の同調者たちと、トランプ大統領の支持者たちとの間での論争は、すでに始まっている。彼らは、あらゆる種類の反米主義者、そしてとりわけ世界中(そしておそらく最も声高なのは米国自体の中)に溢れ返るトランプ嫌悪派の面々によって強力に補強されている。一方で、それほど感情的ではない傍観者たちもいる。その中にはトランプ大統領の支持者も含まれており、彼らは今もなお、3世代前のフランクリン・D・ルーズベルト以来、おそらく最も支配的なアメリカの政治的人物としてトランプ氏を維持するに足る勢力を保っている。

イラン戦争の予備的和平合意を評価するにあたっては、対立する双方が口にする建前や、誇張された主張をひとまず脇に置くのが最善である。イラン指導部が2024年10月7日のハマスによるイスラエル侵略を首謀したとき(これは多くの子供や女性を含む1千人以上のイスラエル人の残虐な殺害と、他250人の拉致を招いた)、この侵略者たちは、間近に迫っていたサウジアラビアとイスラエルの関係正常化を阻止しようとしていた。彼らはまた、ヨルダン川西岸地区で暴動を煽り、バイクや車両に分乗したハマスのテロ遊撃隊を、エルサレムの目と鼻の先まで突入させようともしていた。イラン自体は、弱気なバイデン政権の締まりのない顎と曇った目の下で、2年以内に核弾頭を搭載した短距離・中距離弾頭ミサイルを配備することを満ち足りた表情で心待ちにしていた。

戦闘的イスラム主義は、自らに決定的に有利な転換を画策しようとしていたのである。それ以来、ハマスはガザの半分以上の占領地と当時の指導部の命を失い、訓練されたテロリスト幹部の約80%、そしてガザにある複雑なトンネル網の60〜70%を失った。ヒズボラは15万発のロケット弾のほとんどを費やし、指導部とおそらく人員の半分を失った。一方、イランは海軍のすべて、防空システムのすべて、防衛生産産業の大部分、ミサイルとドローンの80〜90%を失い、米国とイスラエルによる約2万回の航空ミサイル攻撃によって1兆ドル以上の損害を被った。この戦争は、イランとそのテロリストの傀儡たちにとって、決定的な大惨事となった。

▶ 続きを読む
関連記事
米国防情報局は、中共軍が2030年までに指向性エネルギー兵器を軌道上に配備する能力を備えると予測。米軍の通信・偵察衛星への脅威が増す一方、中共側にも技術や指揮系統の制約がある。米軍は衛星の分散配備や迅速な補充などで対抗する
中共空母「遼寧」が第1列島線の内外を往来し、フィリピン周辺の狭い海峡を通過した。周辺国への威嚇を指摘する一方、軍事的リスクや補給面の疑問も残る。不可解な訓練航路から、政治的示威と実戦上の合理性の隔たりを読み解く
市場の仕組みを無視した安易な「富裕税」を痛烈に批判。富裕層はすでに社会に多大な貢献をしており、彼らの財産を奪うことはイノベーションの阻害につながると警鐘を鳴らす論説
米中間選挙において、身内に距離を置かれたオバマや遊説を避けたバイデンに対し、トランプは自ら「最高応援団長」として猛烈に全国を駆け回る。逆風の世論調査にも怯まず、強気に自らを売り込む姿を追う
米露中首脳会談の背景やウクライナ和平の現実、そして身勝手なダブルスタンダードを続けるヨーロッパに対するトランプ政権の冷徹な現実主義を解説した論考