夏越の祓――歳月半ば、天地に向かって心の塵を洗う
毎年六月末、梅雨がまだ明けきらず湿った空気を感じる頃、日本各地の神社に特別な風景が現れます。
神社の参道脇に、人の背丈を超える草の輪「茅の輪(ちのわ)」が静かに立っています。
老人は子どもの手を引き、若者は家族とともに、伝統の作法に従ってゆっくりと草の輪をくぐり、災厄を祓い、平安と健康を祈ります。
関連記事
唐代の奇書『酉陽雑俎』を手がかりに、未知を排除せず包容する中国文明の精神と世界の広がりを描き出す。古人の謙虚な姿勢から学ぶ
茶葉が過酷な製茶の工程を経てお湯と出会い、芳香を放つ姿に人生の試練と成長を重ね合わせたエッセイ。万物が語る生命の理をやさしく紐解きます
千年の歴史を支えてきた宣紙。過酷な水火や鍛錬を経て生まれる一枚の紙が、いかにして筆墨を受け止め、文脈を後世へ紡ぐのか。無言の紙漉き工程から天地の理や生命の在り方を読み解く、静謐で深い思索に満ちた一編
傷口から芳香を生む沈香や、火を経て形を捨て清気となるお香の姿を通し、苦難を乗り越える心の転化と生命の深遠なあり方を静かに説くエッセイ。俗世の喧騒を離れ、心を澄ませて高遠な境地へ向かう道を示す
中国の伝統的な職人精神を紐解く一編。宋代の茶碗や古琴など身近な器物に宿る美を通し、単なる技術や派手さを超えた「敬」と「静」、天人合一の思想を描く。日常の道具に心を込め、精神を高める美学に迫る