眠れない夜に試したい 緊張をほぐす就寝前エクササイズ6選

私のささやかな経験から、自信を持って言えることがあります。それは、天井のシーリングファンは、長く見つめれば見つめるほど面白くなるものではないということです。しかし、忙しく充実した一日を過ごした夜ほど、頭の中はまだ活動を続け、体にもまだ余力が残っていて、なかなか眠る準備が整わず、気づけば天井を眺めていることがあります。

睡眠の重要性については数多くの研究が行われており、十分な睡眠が取れているかどうかは、健康診断の際にほとんどの医師が患者へ確認する項目の一つです。私が携わる分野でも、患者ができるだけ早く、そして十分に回復できるよう、適切な栄養と良好な睡眠習慣を身につけることを重視しています。睡眠は、多くの人が考えている以上に健康と身体機能を維持するために重要です。最高のコンディションを保つためには、質の良い規則正しい睡眠が不可欠であることは間違いありません。

しかし残念ながら、現代社会にはさまざまな誘惑や要求、気を散らす要素があふれており、十分な睡眠を取ることは容易ではありません。単に夜更かしをしているからではなく、多くの人はベッドに入ってからもなかなか眠りにつけないという悩みを抱えています。
 

睡眠へと導く6つのストレッチ

これから紹介するエクササイズは、脳と体を眠る準備状態へ導き、必要な休息を得る手助けをしてくれます。どれも簡単ですが効果的で、私は毎日のように患者へ指導しています。ただし、ご自身に適しているかどうかを確認するため、事前にかかりつけ医や理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします。

1. 山のポーズ

山のポーズは立った状態で行うため、最初に取り組むエクササイズとして最適です。布団をめくったら、ベッドへ入る前にこのポーズを行うことで、一日の慌ただしさを静けさへと切り替えることができます。

(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)

ステップ1: 腕を体の横へ自然に下ろし、手のひらを前に向けます。足を腰幅程度に開き、体を安定させます。胴体と骨盤は足の真上に位置させ、肩を軽く後ろへ引きます。頭はまっすぐ保ちます。意識して呼吸をゆっくりにし、深い呼吸へ移行します。一度大きく息を吸い、数秒かけてゆっくり吐き出すことで、自然とゆっくりした呼吸のリズムに入りやすくなります。

ステップ2: 正しい姿勢を保ったまま、太ももとふくらはぎの筋肉を軽く引き締め、膝のお皿を持ち上げるように意識します。その状態で膝を軽く伸ばしますが、無理に反らせる必要はありません。

ステップ3: 尾骨を少し前へ入れるようにし、おへそを背骨へ近づけるよう意識しながら、体幹と背筋を軽く引き締めます。

ステップ4: 頭を正面へ向けたまま、頭頂部から真上へ引っ張られるようなイメージで、できるだけ背筋を伸ばします。その姿勢を15〜20秒保ちます。

注意: 手順が多く見えますが、一度コツをつかめば自然に行える動作です。

うまくできない場合は: バランスが不安な場合は足幅を広げても構いません。必要であればベッドの近くや壁に寄って行ってください。保持時間も無理のない範囲で調整して構いません。

おすすめの理由: 山のポーズは心を落ち着かせ、一日を静かな気持ちで締めくくるのに最適です。また、自分の体のさまざまな部分へ意識を向ける練習にもなります。

2. ワイパー運動

ベッドへ入ったら、仰向けで行うストレッチへ移ります。ワイパー運動は股関節によく効くだけでなく、硬くなった腰をほぐすのにも非常に効果的です。

(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)

ステップ1: 仰向けになり、膝を曲げて足裏をベッドにつけます。両足はそろえて置きます。

ステップ2: 両膝をそろえたまま、できるだけゆっくり右側へ倒します。このとき左足が少しベッドから浮いても問題ありません。ゆっくり深呼吸を続けましょう。

ステップ3: 足を元の位置へ戻し、今度は左側へ同じように倒します。左右どちらか一方へ倒して戻す動作を1回とし、それぞれ15回程度行いましょう。

うまくできない場合は: 最初はあまり深く倒せなくても問題ありません。続けるうちに少しずつ可動域が広がっていきます。

おすすめの理由: この運動は腰を重点的に動かすため、夜眠れなくなる原因となる腰の張りや不快感を和らげる効果が期待できます。

3. オープンブックストレッチ

腰をほぐしたら、次は背中の上部へ移ります。オープンブックストレッチは体をひねる動作で、背中上部の筋肉や背骨の緊張を和らげるのに役立ちます。

(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)

ステップ1: 左側を下にして横向きになり、股関節と膝を90度に曲げます。両腕を肩の高さで前方へまっすぐ伸ばし、手のひらを合わせます。

ステップ2: 右腕を天井へ向かって大きく弧を描くようにゆっくり持ち上げ、そのまま体の後ろへできるだけ開いていきます。可能であれば手の甲がベッドにつくところまで動かします。頭と手を一緒に動かし、視線は常に動かしている手へ向けます。痛みを感じるところまで無理に動かさないでください。

ステップ3: ひねれるところまでひねったら、その姿勢を10秒間保ち、その後ゆっくり元の位置へ戻します。

ステップ4: 最大までひねって元へ戻る動作を1回とし、左右それぞれ3回ずつ行います。

うまくできない場合は: 腕がベッドまで届かなくても問題ありません。無理のない範囲まで動かしてください。片側をまとめて行ってから反対側へ移っても、左右交互に行っても構いません。

おすすめの理由: ワイパー運動と組み合わせることで、ひねり動作と静止を通して背中全体を効果的に伸ばし、リラックスさせることができます。

4. 片脚ずつ行う膝抱えストレッチ

ひねる動きを終えたら、シンプルなエクササイズの中でも私のお気に入り、膝抱えストレッチへ進みます。睡眠前に行う目的なので、今回は片脚ずつ行います。

(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)

ステップ1: 仰向けになり、腕は体の横へ置き、両脚をまっすぐ伸ばします。

ステップ2: 頭を枕につけたまま、右の股関節と膝をゆっくり曲げ、膝を胸へ近づけます。十分に持ち上がったら、両手で膝の下を持ち、膝をやさしく胸へ引き寄せます。そのまま約15秒間保ち、ゆっくり脚を元へ戻します。反対側も同様に行います。

ステップ3: 脚を持ち上げて元へ戻す動作を1回とし、左右それぞれ3回ずつ行います。

うまくできない場合は: 膝を胸まで完全に引き寄せられなくても問題ありません。無理のない範囲まで動かしてください。ハムストリング(太ももの裏側の筋肉)が硬い場合は、膝を胸へ引き寄せた状態からさらに膝を伸ばすと、より心地よいストレッチになります。ただし、痛みを感じるところまで無理に伸ばさないよう注意してください。

おすすめの理由: ぜひ一度試してみてください。このストレッチで腰全体が深く伸ばされ、「そろそろ眠ろう」という気持ちに自然となれます。

5. ボックス呼吸法

ここまで紹介したストレッチはどれも非常に効果的で、多くの緊張を和らげるのに役立ちます。しかし、眠る準備を整えるには、筋肉を伸ばしてリラックスさせるだけでは十分ではありません。心も落ち着いた状態であることが大切です。そのためには呼吸法が非常に効果的です。数ある呼吸法の中でも、私が好んで取り入れているのが「4秒吸う・4秒止める・4秒吐く・4秒止める」という「4-4-4-4」の呼吸法です。この方法は自律神経の働きを整え、心拍数を落ち着かせるのに役立ちます。

(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)

ステップ1: 自分が最も眠りやすい姿勢で横になり、4秒かけてゆっくり息を吸います。

ステップ2: 次に、そのまま4秒間息を止めます。体の力を抜き、緊張が解けて筋肉が落ち着いていく感覚を味わいましょう。

ステップ3: 今度は4秒かけて、ゆっくりと息を吐き切ります。

ステップ4: 息を吐き終えたら、再び4秒間呼吸を止め、その後ゆっくり息を吸います。息を吐いた後に止めることは一見不自然に感じるかもしれませんが、リラックスしてくると自然にできるようになります。

うまくできない場合は: 4秒間のカウントが難しい場合は、「3秒吸う・3秒止める・3秒吐く・3秒止める」の「3-3-3-3」でも構いません。ただし、息を吸い込みすぎると力んでしまうため、吸う空気の量を少し控えめにしましょう。このエクササイズは無理をするものではなく、自然にリラックスするためのものです。また、この呼吸法を行っているとあくびが出ることがありますが、それはとても良いサインですので心配はいりません。

おすすめの理由: 一定のリズムで行う呼吸は、体に「リラックスしてよい」というサインを送る非常に効果的な方法です。一日の終わりまで残っていたストレスが、少しずつ溶けていくように感じられるでしょう。

6. 筋肉を順番にほぐすリラクゼーション法

ストレッチと呼吸法で心身をリラックスさせたら、最後の仕上げとして、全身の筋肉を完全に緩めていきます。最も効果的な方法の一つが、体の部位ごとに順番に筋肉を緩めることです。「力を入れてから緩める」という動作は、全身の緊張を絞り出すように働き、交感神経から副交感神経へと体を切り替えます。つまり、体に「もう安心して休んでいい」と伝えることができるのです。その結果、心拍数が落ち着き、より早く眠りにつきやすくなります。

ステップ1: 自分が最も眠りやすい姿勢で横になり、足の指と土踏まずに5秒ほど軽く力を入れます。その後、ゆっくり力を抜き、緩んでいく感覚を味わいます。

ステップ2: 次に、ふくらはぎへ移り、5秒間軽く力を入れた後、ゆっくり力を抜きます。

ステップ3: 同じように、太ももと骨盤、胴体、腕と肩、最後に顔と首へと順番に進めていきます。全体を通して呼吸はゆっくり穏やかに続け、特に緊張が残りやすい胴体と肩の筋肉を意識して緩めましょう。

ステップ4: この時間は、心をリラックスさせることも非常に重要です。明日の予定や世の中の心配事について考える時間ではありません。自然な呼吸の流れに意識を向けることで、「今、この瞬間」に集中しやすくなります。目的は、心身ともにリラックスし、そのまま心地よく眠りへと入ることです。ぐっすり眠ることができれば、明日どのようなことが待っていても、きっとより良い状態で向き合えるでしょう。

うまくできない場合は: 必ずしも筋肉に力を入れてから緩める必要はありません。最初から力を抜いてリラックスさせるだけでも十分です。

おすすめの理由: このエクササイズは、最後まで残っていた緊張や不安を取り除くのに役立ちます。順番に全身を緩めていくため、とても落ち着いた気持ちになり、終わる頃には眠りまであと一歩という状態になっているはずです。

これらのストレッチとリラクゼーション法は、ベッドの中で簡単に行える就寝前のルーティンとして、質の良い睡眠の準備を整えてくれます。ぜひ皆さんにも効果があることを願っています。少なくとも私が知る限り、最近シーリングファンが急に面白くなったという話は聞きません。ファンは静かに回したまま、その音に身を委ねて、心地よい眠りについていただければと思います。

(翻訳編集 井田千景)

 

主要な医療現場で30年以上の経験を持つ作業療法士である。健康コラムを執筆。