2026年7月16日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州デルタのデルタポートで、コンテナ船「Yang Ming Throne」から荷降ろしされるコンテナ。(toronto.citynews.ca) The Canadian Press/Darryl Dyck

「経済安保協定」に変貌するCUSMA カナダはどう向き合うべきか

論評

現在、カナダが米国と進めている交渉は、単なる関税問題にとどまらない。交渉の焦点は、北米の経済・安全保障の枠組みそのもの、そしてカナダが経済安全保障を国家安全保障の一部として扱う用意があるのかという問題へと広がりつつある。

マーク・カーニー首相の「エルボーズ・アップ(強気で対抗する)」というメッセージには、もっともな懸念が背景にある。トランプ政権は、関税や市場アクセス、米国の圧倒的な経済力を積極的に利用する姿勢を示しており、カナダが自国の利益を守ろうとするのは当然である。しかし、現在の交渉はもう一つの重要な現実も浮き彫りにしている。カナダは米国経済から距離を置こうとしているのではなく、米国市場への優遇されたアクセスを維持しようとしているのである。

▶ 続きを読む
関連記事
『論語』学而篇の最終章を読み解き、他者からの評価や名利という執着を手放す生き方を解説する記事です。学ぶ本当の意味や、人生の修練の本質に迫ります
『論語』学而篇第十五の解説記事。貧困や富貴という人生の様々な境遇にあっても、それに縛られず、いかにして自分を磨き徳を守るべきかを分かりやすく解き明かします
米中間選挙を控える中、イラン情勢の激変が米政治に与える影響を分析。経済的困窮やクルド勢力の蜂起がもたらす体制危機の現実と、イラン側の思惑のズレを暴き、中東の激変が米国の外交・選挙力学を一変させる可能性を鋭く突く
なぜ巨大な嘘は暴かれないのか?ゲーム理論や飲食店の裏事情を引き合いに、製薬業界や規制当局が利益と保身のために「沈黙の共謀」を続けるカラクリを暴く。蔓延する不信の時代に、真の信頼を取り戻す難しさを説く論説
奴隷から身を起こし、労働の尊厳と自助努力を説いた教育者ブッカー・T・ワシントン。政治的扇動ではなく経済的自立こそが権利獲得への道だと説いた彼の現実的な哲学は、混迷する現代を生きる若者への処方箋となる