貧困に追いつめられる中国農村の教師

【大紀元日本7月20日】中国山東省臨沂市蒼山県の公式ホームページで、当該県には358の小中学校があり、農村だけでも340余りを占めていると公表しているが、数の多さに感心している場合ではないのだ。教師の数は多いが、給料は払えない深刻な問題を抱えている。

世界日報の報道によれば、蒼山県艾曲小学校で30年間教鞭をとっている49歳の王振業氏は、月給600~700人民元(約1万円)だが、4月の手取りは300人民元しかなかったという。彼はお金がなくて家を建てられないため、7平方メートルの安普請の日覆いに十年間も住んでいるのだ。王氏の息子は教師養成の師範学校に受かったが、貧しい学校の先生にはならないと断固たる決心をしたそうだ。

中国農村の教師は、社会的評価が低いことが伺える。中国農村の教師はおおよそ月給600~700人民元。都市で勤める教師の給料よりはるかに安く、農民の収入にも比べられないほどだ。しかも、農村部では賃金の滞納がよくあるため、教師達の生活は非常に苦しい。

蒼山県の教師、李発坤氏の月給は500~600人民元。双子の子供にきちんと食事も与えてあげられず、17歳になっても体重が45キロしかない。子ども達が都市の中学校に進学するお金もない。李氏は村の中では、もっとも貧しい一家だ。李氏は五月のメーデーの連休を利用して、鉱山で3日間アルバイトをし、100人民元を稼いだという。

アルバイトで少しでも収入を増やそうとした教師は、滞納された賃金を求めた際、アルバイト先のオーナーに、「ビールを20本買う金で、貴様を殴り殺せるのだ。それだけで貴様のような貧しい教師を始末できるのだ」と口汚く罵られたという。

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