北京軍部の狂言と軍拡の背景
【大紀元日本9月13日】中共が米国に対して核による恐喝を行ったことは、全世界の注目の的となった。その後、米国政府を含め、日本、台湾などで、頻繁に中国問題に関する討論会が開かれたが、「中共は空前の危機下にあり、すでに『窮鼠猫を噛む』というところまで来ている。」と分析している。戦争を合法化するための「反国家分裂法」の制定、民族感情を煽った反日デモ、台湾の国民党党首の大陸への招待、最近の解放軍の少将による米国に対する核恐喝などの一連の事件に全世界が注目している。中共はすでに差し迫った最悪な状況のなか、戦争準備を行っているようだ。
中共はマルクス主義で民意をまとめあげることはできず、かわりにナショナリズムの高揚でその支配を引き伸ばそうとしている。また、銀行の預金引き上げと経済の全面的な失速を避けるため、最後の手段として台湾に戦争を仕掛けようとしている。中共が国家集権で何とか自己崩壊の危機をやり過ごそうとする最後のあがきと思われる。
軍首脳、核武装で米国問題解決を公言
解放軍少将に継いで、中共国防大学防衛学院・朱成虎氏が7月14日、外国記者に「もし米国が中台紛争に介入すれば、中国側はまず最初に核兵器を使用し、米国の数百の都市を焼き払う。中国の西安より東が壊滅させられるようなことになってもかまわない」と公言した。
海外博訊ネット(7月17日付)によると、朱成虎氏は7月6日の国防大学内部の会議上で講演した際、世界の人口過剰問題を提起している。
朱氏の認識では、世界人口の総数はすでに地球資源と生態環境の許容能力を超えており、戦争、疫病或いは飢饉などの手段を用いて大量に人口を消滅させ、そして人類を引き続き生存させるべきだとしている。さらに、「中国政府は全力で核兵器の開発に取り組み、十年以内には地球上の半数以上の人口を消滅させるだけの核兵器を装備することができる」と発言している。
博訊ネットによると、中共前国防部長であった遲浩田氏も内部で講演を行っている。演題は「戦争は遠からず。そこから中国は生まれる」。これは、中共の最も根本的な思想を曝露した。一般に公開された文面によると、生物兵器を用いて米国を「粛清」し、米国を占領するとしている。
遲浩田氏は「絶対に我々共産党が歴史舞台から退出することはない!私たちは、この世界、この地球全体と党の存亡が一緒であるとしても、歴史舞台から退出することはない!」と断言している。
「米国の問題を解決することは、その他一切の問題を解決する鍵である。第一に、私たちはそこに大量に植民することができ、また、中共が指導するもう一つの中国を同属としてそこに建設することができる。第二に、米国問題を解決すれば、欧州などの西側諸国は我々に屈服し、台湾、日本などのその他の小国は生きてゆけなくなる」と述べている。
米国への挑戦
米国家安全政策センター主席のフランク・ガフニー氏は、7月22日午前、ワシントン特別区で催された九評国際英語討論会で講演した際に次のように指摘した。「中共の戦略目標は、世界で最高の経済強国の位置にある米国を改変することです。もし、軍事的に米国を打ち負かせることができたらの話ですが」。
フランク・ガフニー氏は、外交、国防及び軍備の政策専門家である。レーガン政権下では国防次官補であった。彼は中共の威嚇について一貫して自由世界に警告している。
ガフニー氏によると、中共では軍事訓練中に定期的に戦略構想に関する発言がなされているが、それらには互いに関係した論点、「米国との戦争は避けられない」ことだという。これは、米国が中国に過大な圧力を掛けているのではなく、独裁者中共の観点である。このような観点は最近のものではない。中共は、米国の200箇所以上の都市上空で戦略弾道弾を炸裂させるほどの能力はまだ保有していない。にもかかわらず、中共は「米国に思い知らせようとしています。それが最小の核兵器で侵攻できること、同時に、米国に災難をもたらすことができるということ」を確信しているという。
秘密の核ミサイル部隊
最近オーストラリアに亡命した前中国外交官の陳用林氏は、米国議会の公聴会で、「北京は秘密裏に核部隊を創設して米国に照準し、『積極防御戦略』を採用して、アジアと世界各地での『覇権』を米国と争おうとしている」と曝露した。
ワシントン・ポスト紙7月29日の報道によると、陳用林氏は、中国の核弾頭の数は最高機密で、総参謀部と党中央だけがその正確な数を知っているという。同氏によると、中共の核武装は、「原子力発電会社」の下に隠蔽されてきたものであり、会社は商用の原子力発電所は建設しておらず、ミサイルと爆撃機に搭載できる核弾頭を製造しているという。
また、中共高層内部の議論では、軍は常々台湾に侵攻することに言及しており、大多数の軍の首脳は、台湾問題を解決するのは早ければ早いほど良いと提案しているという。最近の朱成虎氏の発言は、中南海が米国に対して先制攻撃を発動する企図がある事をはっきりとさせた。
軍備費の増大に日米が警告
7月19日に米国防総省が発表した『2005年中国軍事態勢報告』では、台湾海峡の情勢について、特に両陣営の軍事力量が対比され、一層詳しい分析がなされている。
報告書の指摘によると、ここ十数年、中国の軍事費は毎年2桁台で高速に増大しており、実際の軍事費は公表されている2倍から3倍であり、軍事費の総額は世界第3位、アジアでは第1位である。台湾はそれに反して武器購入量が毎年下降しているために、両陣営の軍事バランスは崩れている。
中共が台湾の正面に配置している戦力は9つの集団軍である。戦車2,500両、野戦砲5,500門、戦闘機425機、爆撃機280機、駆逐艦13隻、巡洋艦34隻、戦車揚陸艦20隻、中型揚陸艦15隻、ディーゼル潜水艦29隻、艦対地ミサイル哨戒艦34隻、射程300kmから8,400kmの各種ミサイル700発など・・・。
報告書によると、中国は台湾に対して勧誘と阻止という2つの策略を用いている。経済誘因を利用し、台湾系企業の大陸への投資を引きつけ、その後政治によって統制している。同時に、核兵器をちらつかせ、高空電磁パルスを使用して台湾を機能麻痺させ、さらには外交、経済、法律、心理及び軍事の各手段を結合して、全面的に台湾を打ちのめそうとしていると分析している。
台湾の陳総統は、中共の政策決定は不透明で、民主的ではなく、社会的な不安定要素が充満しているため、中共は武力を行使したがっていると指摘している。
8月2日に日本の防衛庁が発表した防衛白書には、アジア太平洋及びその他の地区において日米安保を強化し相互に支援すること、また、中共に対して警戒を強めることが明示されている。中国の国防費は17年連続で10%以上の伸びを記録しているが、その使途について中共は細目を公表していないと指摘している。白書には、中国海軍の動向が特別に記述されており、昨年11月に中国の原子力潜水艦が日本の領海を侵犯したことも含まれている。
北京当局は日本の白書に対して激しく反発、中共外交部の孔泉スポークスマンは、「中国の威嚇」を日本が誇張していると非難した。