2023年5月25日に掲載した記事を再掲載
若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ保健省は調査報告を発表し、大麻がより身近になったことで若者の健康が危険にさらされている現状に警鐘を鳴らした。
カナダでは2018年、18歳以上の成人による大麻の所持・使用の一部が合法化されている。いっぽう、調査報告によると、カナダは「青少年の大麻消費量が世界で最も多い国の一つ」であり、社会問題となっている。
「大麻の使用は、思春期に重大な健康リスクをもたらし、特に脳の発達を妨げる」。こう指摘するのはカナダ公立大学中国医学部教授の劉新生氏だ。
「医学的な見地からみたとき、大麻のような中毒性物質によって脳の受容体の一部がコントロールされてしまうと、人は自身の行動を自ら決めることができなくなる」。
社会における薬物蔓延に対し、多くの慈善団体は啓発活動に取り組んでいる。「薬物のない世界のための財団」でボランティアとして活動するメラニー・ディクソン・スミスさんは取材に対し、「人々が薬物から離れ、自らの目標に向けて努力し、幸せな人生を送れるよう励ましていきたい」と語った。
日本の在外公館も滞在法人に対し、大麻の所持や使用を行わないよう求めている。大麻取締法の摘発は海外における使用等にも適用されることがあるとし、日本の法律を遵守するよう呼びかけた。
日本国内でも取り締まりを強化する動きが見られる。読売新聞の報道によると、今年1月に明らかになった大麻取締法改正案では、大麻草から製造された医薬品の使用を可能とするほか、大麻の使用を禁止する「使用罪」が創設される予定だ。
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