カナダ政府 アメリカと中国への渡航勧告を更新 慎重な対応を呼びかけ

2025/03/24 更新: 2025/03/24

カナダ連邦政府はこのほど、アメリカおよび中国に対する渡航勧告を更新し、国民に対して慎重な対応を呼びかけた。

アメリカに30日以上滞在するカナダ国民および外国人は、アメリカ政府への登録を必要とする。登録を怠ると、罰金や処罰、あるいは軽犯罪として起訴される可能性がある。

カナダ政府は、旅行者に対しアメリカ市民・移民サービス局(USCIS)のサイトで、登録の必要性や手続きの詳細を確認するよう勧めている。また、渡航者は米税関・国境警備局(CBP)のウェブサイトを通じて、自身のI-94入国記録を確認し、自動的に登録されているかどうかを調べることができる。

中国に関する勧告の更新は、最近中国でカナダ人に対して死刑が執行された一連の事案を受けたもの。

カナダのメラニー・ジョリー外相は、過去数か月の間に、二重国籍を持つカナダ国民4人が中国で死刑を執行されたことを明らかにした。いずれも麻薬関連の罪に問われていたという。

中国共産党政府は二重国籍を公式には認めておらず、麻薬犯罪に対しては厳格な姿勢を取っている。カナダ政府はこれらの死刑執行について、「取り返しのつかないものであり、人間の尊厳に反する」と厳しく非難した。

今回の勧告では、カナダ国民に対し、中国滞在中は十分な警戒を促している。特に二重国籍者が中国の旅券を使用して入国した場合、カナダの領事支援を受けられない可能性があるという。

また、中国の司法制度は透明性に欠け、カナダの領事サービスにも限界があるため、十分な法的支援を受けられないおそれがあると指摘している。

さらに、非暴力の金融犯罪であっても重い処罰を受けるリスクがあり、商業トラブルなどに関連した民事・刑事の調査に関与した場合、出国制限を受けることがあるとして注意を呼びかけている。

カナダ政府は、二重国籍を持つ渡航者に対し、中国共産党当局と接する際にはカナダの旅券を使用するよう推奨している。

周行
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