2026年が第二次世界大戦後に最も危険で変革的な年になり得る理由

2026/03/25 更新: 2026/03/25

本稿は、ヘリテージ財団のメディア『デイリー・シグナル』のポッドキャスト番組、「ビクター・デイビス・ハンソン:自らの言葉で語る」の内容を、一部編集して書き起こしたものである。

2026年は、ソ連体制の崩壊とベルリンの壁の崩壊以来、最も激動し、地政学的に重要かつ危険な年になりそうだ。全世界が激変の渦中にある。この激変の中心にいるのがドナルド・トランプである。米国内外を問わず、彼の支持層も反対派も、多くが彼こそがこの事態を引き起こした張本人だと見なしている。

数年前、ある欧州の外交官はこう言った。「彼は陶器店に迷い込んだ雄牛(乱暴者)だ。それも、核兵器という陶器を扱う店にだ」。そうかもしれないし、そうではないかもしれない。

さて、現在起きている事態を整理してみよう。我々は現在、二度目となるイランへの空爆を敢行している。これまでの交渉では、47年越しのこの難題を解決できないことが、もはや誰の目にも明らかだからだ。

イランの神権政治に、核拡散を止める意思はない。彼らが核を欲するのは、中東を支配し、湾岸の石油王国を威嚇し、スンニ派イスラム教に対する優位性を示し、最終的にはイスラエルを破壊するためだ。さらには欧州を脅して譲歩を引き出し、最終的には我々米国を脅かすためである。

我々はそのことを分かっていた。トランプ以前の7人の歴代大統領も皆そう語り、問題に対処するか悪化を防ぐと言明していた。だが、誰も何もしなかった。

トランプは交渉を試み、核施設を破壊した。しかし爆撃後も、彼らが施設の復旧と拡大、ロシア・北朝鮮・中国による弾道ミサイル部隊の増強を試み、二度と誰も攻撃できないように画策していることを知った。

そこでトランプは動いた。今回の彼の計画は、今すぐ神権体制を排除するか、あるいは数ヶ月以内に民衆の蜂起によって崩壊するまで弱体化させることだ。ベネズエラのような解決策もあり得るだろう。それが叶わずとも、少なくとも軍事的に無力化することを目指している。

これは、ニコラス・マドゥロの、いわば「誘拐クーデター」に続く動きである。我々はこの共産主義の凶漢であり、麻薬王であり、米国への危険なオピオイドの送り主を排除した。彼はキューバを支え、ジョー・バイデン政権下では中南米全域にチャベス流の共産主義を広めることに成功しているかに見えた。しかし今、その地の情勢は一変した。

ベネズエラにマドゥロはもういない。秩序を維持できる強力な政府が存在し、おそらく民主主義への移行が進むだろう。我々はそれを望んでいる。彼らは、自国の政府を排除した米国を恐れている。米国は、石油を世界市場に出し、経済を改革し、中国人を追い出せば、明るい未来が待っていると彼らに告げたのだ。

これは中米、チリ、そしておそらくボリビアやペルーでの民主化革命、そしてもちろんアルゼンチンの動きとも合致している。

今や全く新しいラテンアメリカが誕生しつつある。西欧的な立憲体制への革命を経験しているのだ。そしてここでも、こうした変化の決定的な引き金となったのはドナルド・トランプであった。

まず、彼はパナマに対し、「中国と手を組むような真似はやめろ。さもなければ運河を没収する」と警告した。この揺さぶりは即座に功を奏し、今や中国とロシアは西半球から完全に締め出されている。

同時に、彼はキューバに圧力をかけている。彼らはもはやロシアからの補助金付き石油を得られない。米国への麻薬密輸を仲介しても、今やその荷は公海上で容赦なく沈められる。かつてベネズエラのチャベスやマドゥロから得ていた無償の燃料供給も途絶えた。もともと構造的な欠陥を抱えて停滞していた経済は、いまや崩壊の途上にある。

トランプは基本的にこう言っている。「ベネズエラで何が起きたか見たか。イランで何が起きたか見たか。お前たちは地球の裏側や南米の奥地にいるわけではない。我々からわずか90マイルの場所にいるのだ。改革を行い、国民に選択肢を与え、経済的・政治的・文化的・社会的な解放を行わないのであれば、お前たちの体制など、我々が本気になればひとたまりもないことを忘れるな」と。

そして、彼らは米国人実業家、主にキューバ系アメリカ人が戻って投資することを許可するつもりのようだ。

もしそうなれば、オフショア企業、エネルギー開発、ホテル、観光が始まり、共産主義は立ち枯れて死ぬだろう。

私が何を言いたいのか。世界的な激変が起きており、ドナルド・トランプがいわば導火線に火をつけたということだ。至る所で物事が爆発しており、誰もが被害妄想に陥り、狂乱し、彼を破壊者だと考えている。

そしてウクライナ戦争がある。彼は欧州諸国に対し、彼らが理解していなかった二つのことを納得させた。ロシアからエネルギーを買うことはできないということだ(ホルムズ海峡が一時的に閉鎖されているため、この制限は緩和されているかもしれないが)。ロシアの戦争機構に資金を提供しておきながら、自国の自滅的なエネルギー政策のせいでそうせざるを得ないと言い、その上で米国に助けを求めることは許されない。

我々は今、解決策を探っているが、トランプが用いている戦術の一つはひどく誤解されている。トランプは「(ロシアとの)愚かな『関係修復』に走ったのは私ではない。ワグネル・グループを実力で排除し、オリガルヒに制裁を叩き込み、ミサイル条約を破棄したのはこの私だ。ウクライナに(防衛用ではない)攻撃用兵器を初めて供与したのも、お前たちではなく私ではないか」

「ノルドストリーム(パイプライン)の危険性を警告したのも、バイデンでもお前たちでもなく私だ。だから、私の交渉を邪魔してプーチンを過度に悪魔化するな。彼を弱体化させ、欧州に手出しさせないようにした上で、今度は中国に対抗するための『駒』としてこちら側に引き込むことだって可能なのだ」と述べている。

つまり、もしそれが実現し、キューバやベネズエラに別の政府が誕生し、中南米に改革のうねりが起きると同時に、米軍が駐留し続けてきた中東の47年来のがん(イランの神権政治)が取り除かれれば、シリアやイラクに200もの米軍施設を置く必要はなくなる。

さらに、長年キューバが我々にしてきたことを考えてほしい。そこは米国のテロリスト、ハイジャック犯、麻薬密売組織の受け皿となってきた。

かつて1962年のキューバ危機の際には、ロシアの核兵器が我々に向けられた。それは常に頭痛の種だったのだ。

これらすべての問題を一年で解決できるとすれば、それは前代未聞のことだ。ソ連を崩壊させたロナルド・レーガンの功績(実際に崩壊したのは後継者のジョージ・H・W・ブッシュの時代だが)でさえ、比較すれば小さく見えるほどである。

少し考えてみてほしい。これはトランプの政治的計算において、必ずしも必要なことではなかった。ベネズエラやイランに介入したとき、8、9ヶ月後には中間選挙を控えていた。経済から注目をそらすことは大きなリスクだった。ジョー・バイデンの下で沈滞していた経済は上向き始め、彼はエネルギーコストの低さを自慢していたのだから。

もし単なる「政治屋」であれば、中間選挙の直前に、世界有数の産油国二カ国に介入し、少なくとも短期的には石油供給が減少するような事態を招くことはしない。それでも、彼はそのリスクを取った。

さらに重要なのは、トランプが欧州側の懸念を十分に承知している点だ。欧州諸国は、自国での天然ガスや石油の増産を(環境政策などを理由に)拒んできたため、エネルギー情勢に極めて敏感になっている。フランスのような原子力発電の活用にも消極的で、結果として輸入エネルギーに依存しきっているのだ。だからこそ彼らは、トランプに対し「これ以上かき乱さないでくれ」と裏で泣きついている。トランプは、こうした欧州からの強い抵抗という課題に直面しているのである。

そして、MAGA(Make America Great Again)の支持基盤は、「海外での不必要な戦争はするな」と言っている。これに対しトランプは、航空戦力を用いており地上軍は投入していない、これはアフガニスタンとは違う、長期的な問題に対する短期的な解決策なのだ、と説得しようとしている。そして、もし成功すれば、将来的には米国の同盟国や友人が増え、同意に基づく統治が行われるようになるため、海外にいる米国人は少なくて済むようになる。

独裁から解放されたこれらの国々は、民意に基づく政府によって統治され、自由な経済を持つようになる。さらに重要なのは、こうした新興民主国家の人々が、米国に対してこれまでとは全く異なる見方を抱くようになることだ。米国を、煮え切らない態度の弱腰や、無防備な存在、あるいはバイデンやオバマのような宥和主義者(なだめ役)とは見なさなくなる。たとえ予測不能であっても、「一度口にしたことは必ず実行する」恐るべき存在として再認識するのだ。そうなれば、彼らは米国に敬意を払い、進んで味方となるだろう。強さは友を呼び寄せ、弱さはそれを退けるのである。

最後になるが、我々は今起きていることを誤解しているのではないか。世界中で混乱が起きているのは確かだが、その4分の3は、何らかの形での合意や終結、あるいは解決に向かっている。 それらが最終的にどのような結末を迎えるかは分からない。しかし、米国が少なくとも第二次世界大戦後には見られなかったほどの、圧倒的な優位に立つという形で決着する可能性は、十分にあるのだ。

(ヘリテージ財団の出版物『デイリー・シグナル』より許可を得て転載)

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