EU=ヨーロッパ連合の匿名の当局者によると、EUの情報機関は、中国共産党(中共)がロシア軍兵士数百人を訓練していたことを確認したとしている。このうち一部は、その後、ロシアによるウクライナ侵攻の前線に投入されたという。
また、この問題は6月15日に開かれるEU外相会議で議題となる見通しである。
複数のメディアは6月12日、匿名のEU当局者の話として、EUの情報機関が中国によるロシア軍兵士への軍事訓練を確認したと報じた。訓練は中国国内の複数の地域で行われ、対象となったのは数百人に上るとしている。訓練を受けた兵士は、その後、ウクライナ侵攻に参加したという。
これらの情報は、ロイター通信が5月19日に報じた内容とも一致している。それによると、2025年におよそ200人のロシア軍兵士が中国で訓練を受け、ドローンの運用や電子戦、航空分野に関する内容が含まれていたとしている。
EUの当局者は、中国側がロシア軍兵士の戦闘参加に関わる訓練を否定している一方で、EUとしては確かな証拠を把握しているとしている。
EU外相は6月15日、中国との関係について協議する予定で、この問題も議題の一つとなる見通しである。
また、中国に関連する事として、EUと中国の貿易関係も議論される見込みである。特に、欧州の防衛産業が中国の供給業者に依存している現状と、その見直しについて意見が交わされるとみられる。
中ロ軍事協力の背景と協定
ドイツの有力紙「ヴェルト」は、2025年末の時点で、数百人のロシア軍兵士が中国国内6か所の軍事施設で訓練を受けていたと報じている。参加者の階級は幅広く、ロシアの精鋭ドローン部隊の隊員も含まれていたとしている。
訓練を終えた後、数十人がウクライナでの戦闘に投入され、このうち一部は指揮官としての役割を担ったとされる。
ロイター通信は、欧州の3つの情報機関の資料を引用し、中国とロシアの両軍が2025年7月に協定を結んだと伝えている。この協定に基づき、中共軍の人員もロシアで同様の訓練を受けることが可能になっているという。
さらに、同年末には、北京や南京などの軍事施設でおよそ200人のロシア軍兵士が秘密裏に訓練を受けていたとされる。欧州の情報機関の一つは、一部の兵士が訓練後、ロシアが占領するクリミアやザポリージャに移動し、ドローン作戦に参加したことを確認したとしている。
ロイター通信はまた、ロシア軍内部の複数の訓練報告書を入手したと報じている。このうち2025年12月の報告書には、ロシア軍兵士50人が中共軍の石家荘陸軍歩兵学院で「合成兵種作戦」の課程を受講したと記されている。
訓練では、ドローンを用いた偵察や、82ミリ迫撃砲の運用などが含まれていたという。
ロイター通信が5月にこれらの内容を報じたあと、中国外務省は「対立をあおり、責任を転嫁するな」と反発した。そのうえで、中国はウクライナ情勢をめぐり「客観的かつ公正な立場」を取っており、和平交渉の促進に努めてきたとしている。
一方、ロシア側もこれらの指摘を否定し、「虚偽の情報だ」としている。
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