中国政治 献花を管理、ネット投稿も制限か 市民の不満につながることを警戒

朱鎔基元首相への追悼を中国当局が警戒 献花やネット投稿を規制か

2026/08/18 更新: 2026/08/18

人が亡くなれば、花を手向け、思い出を語る。日本ではごく普通の光景である。しかし中国では、元首相への追悼さえ当局の警戒対象になっている。

中国の元首相・朱鎔基が8月12日、北京で死去した。朱は1998年から2003年まで首相を務め、中国の経済改革を進めた人物として知られる。

朱が幼少期を過ごした湖南省長沙市の旧宅には、市民が次々と献花に訪れた。しかし、入口には柵が設けられ、訪問者は花束を管理者に渡し、代わりに置いてもらわなければならなかった。

ネット上でも、花束やろうそくの写真を投稿して朱を悼む動きが広がっているが、朱の氏名や追悼文を含む投稿が送れない、表示されにくい、削除されたとの報告も相次いだ。利用者の間では「名前をすべて書かない」など、検閲を避ける方法まで共有された。

中国を代表する独立記者の一人で、当局に批判的な報道を続け、過去に何度も拘束・投獄されてきた高瑜氏の自宅には8月14日夜、国家安全を担当する警察官2人が訪れた。高氏によると、警察官は朱鎔基に関する投稿をこれ以上しないよう要求し、「投稿すれば、たとえ夜中でも再び自宅へ行く」と警告したという。

中国では1989年、改革派指導者だった元総書記・胡耀邦の死をきっかけに、市民の追悼が民主化を求める大規模な運動へ発展した。2023年に元首相・李克強が急死した際にも、ネット上や故郷の安徽省で大規模な追悼が起きた。

朱鎔基が死去した当日、中国共産党内部の事情を知る関係者は本紙に対し、朱鎔基は晩年、一挙一動を当局に監視されていたと明かした。

当局は、市民による自発的な活動が反政府運動へ発展することを警戒している。今回も、朱鎔基への追悼に政治や暮らしへの不満が重なり、社会全体へ広がることを恐れているという。追悼が拡大する兆しがあれば、直ちに最高指導部へ報告される可能性が高いとしている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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