米財務長官 イラン凍結資産で湾岸損失補填へ 経済圧力強化

2026/06/12 更新: 2026/06/12

アメリカのベッセント財務長官は、凍結されたイランの資産を活用し、湾岸の同盟国が受けた損失を補填する方針を明らかにした。

6月11日、ベッセント長官はSNSの「X」に投稿し、イラン当局がペルシャ湾の海上交通に課す通行料については、アメリカがイランの口座から同額を差し引いて相殺する考えを示した。

また、「イランによるいかなる攻撃も、経済的・金融的な影響を一層深刻なものにする」と述べた。

さらに、「イラン政権は自らが招いた状況の中で不利な立場に立つことになる」と指摘した。

ベッセント長官は、イランが湾岸同盟国に与えた損失について、凍結資産を充てる方針を明確にした。一方、イラン側はこうした措置を不当だとして反発している。

アメリカとの交渉において、イランはおよそ240億ドル(約3兆7200億円)の凍結資産の返還と、戦争賠償の支払いを求めている。

イランのガリババディ副外相は今週、「X」への投稿で、アメリカが凍結資産を用いて地域の同盟国の被害復旧を支援することには同意しないと表明した。

湾岸地域では、80か所以上の石油・天然ガス施設や重要インフラがイランの攻撃を受けており、多くは3~4月にかけて発生した。最新の報告では、被害額は最大で580億ドル(約8兆9900億円)に上るとみられる。

イランはこれらの攻撃について、アメリカがイランを攻撃した際に米軍基地を受け入れていた湾岸諸国への報復だと主張している。

米政権の交渉戦略と今後の焦点

アメリカのABCテレビは先週、政府関係者の話として、財務省があらゆる手段を検討し、イラン資産を活用して今後の被害の復旧や修復を支援する方針だと伝えた。

この関係者はまた、財務長官が湾岸同盟国の被害状況の評価と、紛争開始以降の損害に関する復旧費用の見積もりをまとめるよう指示したと述べた。

凍結したイラン資産には、資金のほか、押収された船舶などを含む可能性がある。アメリカ政府は現在、湾岸諸国と連携して被害の把握を進めている。

現時点でトランプ政権は、イランによる凍結資産の返還要求には応じていない。今回の経済的圧力が、イランを交渉に戻すのか、それとも距離を広げることになるのかは、依然として不透明である。

林燕
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