イラン大統領府向けに作成した機密報告書によると、イラン国民の政府への怒りは、かつてない水準に高まっている。一方、専門家は、イスラム宗教体制への国民の反発は、実際にはさらに深刻であると分析している。
報告書によると、イランでは人口の8割超が最低限の食料の確保に苦しみ、75%超が必要な医療を受けることが難しい状況にある。大多数の国民が怒り、不安、絶望を感じている。人々は貧困を深めているだけでなく、政権側への信頼も急速に失っている。
イランの市民ニュースサイト「IranWire」が7月13日に報じたところによると、イランで現状維持を支持する人はわずか9%にとどまる。一方、53%が抜本的な構造改革を求め、19%超が政権の全面的な交代を求めている。
この報告書は、イランのペゼシュキアン大統領の顧問であるアリ・ラビエイ氏が作成した。内容は、世論調査機関「Ara」が5月に実施した世論調査に基づいており、6月にイラン政府の各機関で回覧された。
この調査によると、イラン当局が昨年12月に発表した前回の統計報告と比べ、国民の怒りや反感は12%増加した。64%のイラン人が継続的に「怒りと反感」を感じ、50%が「絶望」を、48%が「抑うつ感」を、45%が「恐怖と不安」を経験している。
専門家「反発は過小評価されている可能性」
Foxニュースによると、シンクタンク民主主義防衛財団のミアド・マレキ上級研究員は、この機密報告書を受け、イランで政情不安が高まる可能性を改めて評価すべきだと指摘した。
「むしろ、この調査はイラン国民の怒りの程度を過小評価している。そこが注目すべき点だ。政権側の世論調査機関が大統領向けに作成した調査でさえ、63%超の国民の怒りを記録している。これは、ギャラップが世界のどの地域でも記録した最高値を大きく上回る。さらに、81%が生計を立てるのは難しいと答え、大多数が絶望感を示している」
マレキ氏は、権威主義体制下で行われる世論調査は正確なものとは見なせないと注意を促した。回答者は、反対意見を表明すれば何らかの報復を受けるのではないかと恐れるためだ。
「警察国家では、『間違った』意見を表明することで、仕事を失い、自由を奪われ、命を落とすことさえあり得る。回答者は自己検閲する。つまり、こうした調査結果は上限ではなく、実態はこれ以上に深刻と見るべきだ」と同氏は述べた。
回答者の60%が政府に不信感
報告書はまた、イラン国民の現体制に対する信頼危機も示している。回答者の約60%が主要な政府機関を信頼しておらず、61.2%が、当局者にはイランの問題を解決する能力がないと否定的に評価した。政府、議会、司法機関、国営テレビに対する不信感はいずれも50%を超えている。
さらに、現在の苦境について、国際制裁よりも政府の統治能力の低下を原因とみる回答者が多かった。46.9%がイラン経済の問題の根本原因は政府の非効率な運営にあるとし、26.3%が政府の腐敗を挙げた。外国の制裁を原因とした人は20.7%にとどまった。
しかし、報告書の提言は、体制変革を求める国民の要求に向き合うというより、不満の沈静化に重点を置いている。
報告書は、イランの国家機関に対し、制裁が国に与える影響をより適切に説明するよう求めている。また、当局者や宗教関連の場では穏健な言葉遣いを用いること、国営テレビを通じてより包摂的な姿勢を示すこと、政府と社会を直接対立させるような政策を避けることも促している。
IranWireはその後の分析で、これらの提言は主に、情報発信や世論認識の変化を通じてイラン政権の統治危機を和らげることに集中していると指摘した。一方で、体制側の説明責任、政治的自由、抜本的な経済改革にはほとんど触れていないという。
新たな抗議は避けられない
マレキ氏は、この世論調査の結果は、イランで抗議活動の規模が拡大している状況と一致していると述べた。同氏はデータを引用し、デモは2017年には80を超える都市で行われていたが、今年は全国31州の200を超える都市に広がっていると指摘した。さらに、ストライキの回数も3倍に増えているという。
同氏はまた、「この不満は新たな抗議につながるだろう。問題は、抗議が再び起きるかどうかではなく、いつ起きるのか、そしてその時、イラン国民と共に立つ人がいるのかどうかだ」と述べた。
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