なぜ「フットボール」ではなく「サッカー」と呼ぶのか トランプ氏、NFL改名に言及

2026/06/14 更新: 2026/06/14

2026年のワールドカップを前に、米国やカナダでサッカーへの関心が高まる中、「なぜサッカーは『フットボール』ではなく『soccer』と呼ばれるのか」という議論が改めて注目されている。これについて、トランプ大統領はナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の名称に言及し、見直しの必要性に触れた。

「soccer」という呼び名はアメリカで生まれたものではなく、イングランドに由来する言葉である。

米ミシガン大学のスポーツ経済学・スポーツマネジメントの教授、ステファン・シマンスキー氏はBBCの取材に対し、1960年代から70年代のイングランドでは「soccer」という言葉が一般的に使用されていたと述べている。

同氏によると、1863年に設立されたイングランドのフットボール協会の関係者の多くはオックスフォード大学の出身者であった。当時、ラグビー(rugby football)と区別するため、この競技は「アソシエーション・フットボール(association football)」と呼ばれるようになった。

その後、1880年代にはイギリスの大学生の間で単語を短縮し「-er」を付ける表現が広まり、「association」から「soc」を取り、「er」を付け、「soccer」という呼び名が生まれたとされている。

この呼称は、オーストラリアやニュージーランド、南アフリカ、カナダ、日本などにも広がった。1980年代ごろまではイギリスの新聞でも「soccer」という表現が使われていたが、その後は「football」が主流となった。

米国で「football」が別競技を指す理由

一方、米国では「football」という言葉はアメリカンフットボールを指すものとして定着している。1920年に設立されたNFLはアメリカン・プロフットボール協会を前身としており、サッカーが普及する以前からこの名称が使われていた。

こうした中、トランプ大統領は2025年12月、ワシントンで開かれたワールドカップ抽選会で、「サッカーこそが本来の『football』である」との認識を示した。

そのうえで、「私たちはそれを『football』とはほとんど呼ばない。別の競技と混同するためだ。しかし、これが本来のfootballであることに疑いはない」と述べ、NFLについては別の名称を検討すべきだとの考えを示した。

ワールドカップが米国で開催されることもあり、この発言は国際的なサッカーファンの間で見られる考え方と重なる側面もある。米国では「soccer」という呼称が使われていることについて、海外のファンから指摘を受けることも少なくない。

一方でBBCは、近年の米国ではサッカーファンが「soccer」という呼び方を受け入れ、積極的に使う傾向があると伝えている。2022年のワールドカップでは、アメリカ代表のサポーターが「これはsoccerだ」と声を上げる場面も見られた。

NFLは米国内で大きな影響力を持っており、「football」という言葉の意味は広く定着している。呼称の変更は容易ではないとみられる。  

李言
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