青少年のSNS依存巡り米で裁判 29州がFacebook・Instagramを提訴

2026/08/13 更新: 2026/08/13

8月12日、米カリフォルニア州オークランドの連邦裁判所で、FacebookやInstagramが青少年に与える影響を巡るMeta社の裁判が始まった。

カリフォルニア州、コロラド州、ケンタッキー州、ニュージャージー州などの司法長官は、Metaが子どもや青少年の依存を招きやすい仕組みをFacebookやInstagramに意図的に取り入れ、安全性について消費者に誤解を与えたと主張している。

この連邦多地区訴訟(MDL)には29州が参加している。今回の審理では、4州による一部の請求に加え、Metaが子どもの個人情報を違法に収集・利用し、連邦法に違反したとする29州側の主張が争われる。

審理は約7週間続く見通し。12日から、裁判官に意見を示す「助言陪審」の選任が始まり、冒頭陳述は8月18日に予定されている。助言陪審の意見は裁判官の参考となるが、法的な拘束力はない。

MetaのザッカーバーグCEOと、Instagram責任者のアダム・モッセリ氏も証人として出廷する見通しだ。

Metaによると、州側が勝訴した場合、損害賠償額は最大1兆4千億ドルに上る可能性がある。これは同社の時価総額約1兆5千億ドルに迫る規模だ。ただし、各州の司法長官は具体的な請求額を公表していない。

州側は金銭的な賠償だけでなく、年齢に応じた利用制限や無限スクロール機能の廃止を求めている。さらに、コンテンツ推薦のアルゴリズムや通知機能、若年層の利用時間についても見直しを命じるよう裁判所に求めている。

一連の訴訟は2023年に始まった。きっかけとなったのは、InstagramとFacebookが若年利用者に及ぼす影響について、複数の州が実施した共同調査だった。

その背景には、Metaの内部告発者フランシス・ホーゲン氏による告発がある。ホーゲン氏は2021年、米上院の委員会で、Metaは自社サービスが青少年に悪影響を及ぼす可能性を認識し、改善策も把握していたが、利益を優先して必要な対策を講じなかったと証言した。

ニュージャージー州のジェニファー・ダベンポート司法長官は、公判を前に「私たちが訴状で指摘したように、Metaは自社のプラットフォームが子どもや青少年に害を及ぼしていると知りながら、子どもたちを依存させ続けた。私たちの子どもは、利益を上げるための道具ではない」と述べた。

これに対しMetaは、州側の主張を強く否定している。

同社の広報担当者は、証拠を見れば、Metaが長年にわたって青少年の安全対策に取り組んできたことが明らかになると主張。「保護者の声に耳を傾け、専門家や法執行機関と連携しながら、問題の実態を把握するために詳しい調査を行ってきた」と説明した。

またMetaは、利用者に安全性について誤解を与えたとの主張も否定している。「SNS依存」についても、正式な精神疾患の診断名として認められていないとの立場を示している。

青少年へのSNSの影響を巡っては、全米の州政府や市政府、学区、個人などがSNS企業を相手取り、数千件の訴訟を起こしている。Metaは、相次ぐ訴訟が事業や財務状況に大きな影響を与える可能性があるとしている。

先週には、ニューメキシコ州の裁判官が、Metaのサービスが同州の子どもたちのメンタルヘルスに悪影響を及ぼしたとして、同社に5億6700万ドルの支払いを命じた。プラットフォーム機能の変更も求めている。

これとは別に、陪審はすでに3億7500万ドルの民事制裁金を科す判断を示しており、合計額は9億4200万ドルに達する。

またMetaは、ケンタッキー州のある学区が起こした別の訴訟について、6月に予定されていた公判を前に和解している。

ロイター/イプソスが先週実施した世論調査では、アメリカ人の85%が「SNSには子どもを依存させる危険がある」と回答した。61%は、SNS企業に対する規制をさらに強化する必要があると答えた。

サンタクララ大学ロースクールのハイテク法研究所教授兼共同所長のエリック・ゴールドマン氏は、「巨額の賠償金やプラットフォーム機能に対する司法上の規制は、被告となったSNS企業の経営を根底から揺るがしかねない」と指摘している。

秋生
中国語大紀元の記者
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