米証券取引委員会 企業の気候情報開示規則の廃止を正式提案

2026/05/30 更新: 2026/05/30

米証券取引委員会(SEC)は29日、2024年に制定された企業の気候情報開示規則の廃止を正式に提案した。

企業気候情報開示規則の撤廃提案

ザ・ヒル紙の同日の報道によると、米証券取引委員会は声明の中で、当該規則は米証券取引委員会の法定権限を超えるものであり、企業に過大なコンプライアンスコストを課すものであるとして、廃止が必要だとの見解を示した。

今後、米証券取引委員会は、提案文書が連邦官報(Federal Register)に掲載された後、60日間のパブリックコメント手続きを開始する。

「投資家向け気候関連情報開示の強化・標準化」と題する同規則は、2024年3月、委員会が民主党3人・共和党2人の構成だった時期に、当時のゲイリー・ゲンスラー委員長の主導の下、3対2の投票で採択された。

同規則は、気候変動が企業の事業に与える重大なリスクおよび企業の気候対策について、上場企業が投資家に開示することを義務付けている。

また大手上場企業には、自社施設・設備からの直接排出量(Scope1)と外部購入エネルギーの生産に伴う排出量(Scope2)について、温室効果ガスデータを段階的に開示することも求めていた。サプライチェーン全体や製品の使用・廃棄段階までを含む広範な排出量(Scope3)に関する要件は、最終版から削除されていた。

現SECは規則を「越権行為」と判断

米証券取引委員会のポール・アトキンス委員長は廃止の理由について、情報開示の要件は「重要性の原則」を核心とするものでなければならず、米証券取引委員会の法定権限に沿ったものでなければならない、また企業経営に対して実質的な強制的干渉を与えるべきではないと説明した。

アトキンス委員長は、委員会として情報開示義務に伴うコストと便益を再評価し、企業が上場を維持することの魅力を取り戻す必要があると述べた。

米証券取引委員会はまた、当該規則は連邦証券法の政策的趣旨から逸脱しており、企業と株主が負担するコストを情報開示の便益によって相殺することはできないとも指摘した。

現委員のマーク・ウエダ委員とヘスター・ピアース委員もかねてより同規則に反対し、米証券取引委員会がこうした開示を要求する法定権限を有するかについて疑義を呈していた。現在の米証券取引委員会は共和党委員3人で構成され、民主党委員はいない。

州・国際レベルでの規制は継続

連邦レベルでの規則廃止が見込まれる一方、一部の州は気候情報規制の推進を続けている。カリフォルニア州はすでに州独自の気候開示法規を制定し、同州で事業を展開する企業に排出データの報告を義務付けており、ニューヨーク州も同様の立法を進めている。

国際レベルでも、気候リスク報告の枠組みを採用済み、または導入を推進している国・地域が引き続き増加している。

高杉
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