欧州委員会は5月29日、EUと中国の貿易・投資関係について「持続不可能」との認識を示し、対応を強化する方針を明らかにした。中国製品がヨーロッパ市場に大量に流入していることを受け、委員らはヨーロッパ産業を守るための具体策を協議している。
西側諸国では近年、中国依存を見直す動きが強まっている。2000年代初頭以降、製造業の中国移転が進んだことで、アメリカやEU加盟国では製造拠点や産業技術が失われるとの危機感が広がっている。
貿易統計によると、EUの対中貿易赤字は2024年の3120億ユーロから、昨年は3600億ユーロに拡大した。2026年第1四半期には、さらに大きく膨らんだ。
EUは6月18、19日に首脳会議を開く予定だ。欧州委員会によると、同会議に向け、複数の対応策が検討されている。EU企業にサプライチェーンの多角化を促す案のほか、化学品、金属、クリーンエネルギー技術の分野で、中国企業のEU市場参入を制限する新たな貿易措置も選択肢に含まれる。
欧州委員会は「経済上の利益と安全保障上の利益がますます密接に結びつくなか、双方の観点から、より強力で足並みのそろった対応が必要だ」としている。
欧州委員は同日、今後のEU・中国関係について協議した。フランスなどは、不公正な貿易慣行から自国産業を守るため、より踏み込んだ対応を求めている。一方、輸出大国であるドイツなどは、中国市場へのアクセスを失うことへの懸念から慎重姿勢を示してきた。ただ、ドイツ国内でも、中国製品の安値攻勢が自国の製造業を圧迫しているとの警戒感が強まっている。
米政治専門メディア「ポリティコ」によると、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長と同氏の官房長を務めるビョルン・ザイベルト氏は、北京に対してより強硬な姿勢を取るべきだと主張している。EU内部の動きに詳しい当局者によれば、両氏は現在の経済的苦境を背景に、対中政策の見直しへの支持拡大を図っているという。
EUのステファン・セジュルネ産業担当委員はポリティコに対し、「今日の議論は、『中国ショック2.0』に対応しなければならないというヨーロッパの共通認識を強めるものになるはずだ」と述べた。
セジュルネ氏はさらに、中国との建設的な対話の余地は残されているとしたうえで、「ヨーロッパ産業を破壊するような戦略の犠牲になるわけにはいかない。新たな手段、措置、そして政治的決断が必要だ」と語った。
フォンデアライエン氏は今後、G7首脳会議で各国首脳と会談し、中国の過剰生産品が海外市場に流入している問題や、北京による重要原材料の供給制限について協議する。その後、6月18、19日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議で、対中政策について各国首脳の支持を求める見通しだ。
EUは今年初め、域内製品の調達を重視する「ヨーロッパ製品購入」政策を打ち出した。また、重要鉱物の供給網を強化する「RESourceEU」計画も提案し、中央アジア、オーストラリア、ブラジルなど、鉱物資源の豊富な国々との連携を進めている。
中共外務省は、EUが貿易不均衡を訴えるために統計を選択的に利用していると非難している。また、EUが「ヨーロッパ製品購入」政策を採用し、技術主権に関する政策を見直した場合、北京は「強力な対抗措置」を取ると警告している。
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