横浜:「九評」討論会、各界からの講演で盛会に

【大紀元日本10月11日】中国の民主化と中共の人権問題について考える「九評共産党(共産党についての九つの論評、以下九評)」討論会が10月2日、横浜技能文化会館で行われた。当日、日本大学教授・小林宏晨氏、「チベット問題を考える会」小林秀英氏、東京大学教授・酒井信彦氏、人権問題研究家・安東幹氏らが講演し、命題に関して深い洞察と見識を提起した。

元・国際安全保障学会理事でもあった小林宏晨氏は、「日本の国連常任理事国入りは、中国によって阻まれている」とし、日本が国連分担金のわりに、その権限と活動とが国連内において制限されているなどの問題点を指摘した。さらに、「社会主義と市場経済を結びつけることが可能であるという中共の主張は誤謬であり、市場経済と一党独裁は長期的には共存し得ず、両者択一だ」と語った。

真言宗の僧籍にもある小林秀英氏は、「チベットでは、中共によって大量の僧侶が虐殺され、チベット族の既婚女性は三割近くが強制的に不妊手術が施されている。このような悲劇が許されていいだろうか?」と中共によるチベット弾圧を非難した。

小林秀英氏の演説(大紀元)

酒井氏は、「世界史の流れからみて、現在世界に残る最大の課題は、テロの撲滅より中華人民共和国の解体と民主化だ」とし、「以前アメリカのレーガン大統領は旧ソビエトを悪の帝国だと称し、力を入れて潰しにかかったが、現在アメリカをはじめとする自由主義陣営は必ずしも現状をはっきり認識していない」と指摘した。

酒井信彦氏の演説(大紀元)

安東氏は、国際人権組織等が発行した白書等から、中共の人権弾圧について問題点を指摘し、「中国民主派、法輪功、チベット民族、新疆ウイグル族等が「反体制派」として逮捕され、強制労働収容所で虐待弾圧されている。即刻、このことを止めさせなければならない」と訴えた。

安藤幹氏の演説(大紀元)

最後に大紀元記者・張本が、「中共の建国日10月1日は、実は中共が中国を乗っ取った日であり、8千万人の民衆が中共の暴挙で命を亡くし、中華民族にとって『亡国の日』である」、「現在起こっている中共離脱表明の運動、7分間ごとにおきる大陸での民間人による中共当局への抗争事件は、中共が末期に来たことの表れだ」と指摘し、中国民衆を早く覚醒させるために日本の人々も支援するよう呼びかけた。列席者から講演者への熱心な質問等があるなど盛会裡に閉幕した。

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私は経済記者として1990年代後半から日本経済、そしてさまざまな産業を見てきた。中でもエネルギー産業の持つ力の巨大さ、社会全体に影響を与える存在感の大きさが印象に残り、働く人の真面目さに好感を持った。特にその中の電力産業に関心を持った。