なぜ中国は今「慰安婦問題」を蒸し返すのか? 真の狙いは「沖縄の乗っ取り」か

2026/03/12 更新: 2026/03/12

2026年3月11日の中国外交部記者会見において、郭嘉昆報道官は中東情勢における米国の行動を批判し、さらに「慰安婦問題」を国連人権理事会と連動させて再燃させる発言を行った。また、米国の韓国への「THAAD(高高度防衛ミサイル)配備」にも強く反対し、米軍の存在を牽制した。日本はこれを、単なる定例の外交アピールや過去の歴史批判として聞き流してはならない。

中国共産党(中共)政権のこうした動きを放置すれば、日本は取り返しのつかない不利益を被ることになる。慰安婦問題などを通じて日本が「人権侵害の常習犯」として固定化されれば、国際的な発言力を削がれるだけでなく、領土を統治する道徳的資格すら失いかねない。同時に、米国を「地域不安定化の要因」と印象付けることで沖縄での米軍排除が加速し、日米同盟のデカップリング(切り離し)が促進される。その行き着く先にある最大の損失とは、サンフランシスコ平和条約に基づく沖縄の日本帰属が否定され、抑止力の消えた沖縄に中共の警察・軍事権力の浸透を許してしまうという「主権の喪失」である。

この事態の本質は、中共が日本から沖縄の主権を剥奪するための高度な対外戦略に基づき、世論戦・心理戦・法律戦の「三戦」を仕掛けてきている点にある。中国が描く因果の鎖は、極めて巧妙な4つのステップで構成されている。第一に歴史問題を再燃させて日本を国際法違反国に仕立て上げる「歴史の犯罪化」、第二にサンフランシスコ条約を不完全な戦後処理として扱う「条約の無効化」、第三に沖縄住民を犠牲者と位置づけて琉球独立を国際問題化する「自決権の扇動」、そして最後に治安維持を名目に中国が関与する「主権の移転」である。これらはすべて、「沖縄(琉球)の帰属は未定である」という将来的な法律戦に向けた核心的な地ならしなのだ。

日本はこの目に見えない「三戦」の侵略意図を見抜き、それを無効化する強力なカウンター・ナラティブを構築して国際社会へ発信しなければならない。具体的には、中東で現状変更勢力を支援する中共こそが既存の国際秩序を破壊する「偽りの仲裁者」であるという実態を暴くことである。また、歴史問題について日本はすでに誠実に対応済みであり、中国の言動は国連メカニズムを政治利用した他国への主権侵害、すなわち「歴史の武器化」であると毅然と主張すべきだ。THAAD等の防衛措置についても、中国の一方的な現状変更の試みから民主主義を守る正当な防衛措置であると明確に位置づける必要がある。論理の構築と国際社会への発信こそが、日本の主権と沖縄を守るための最大の防衛策である。

▶大紀元EPOCH TIMES JAPAN編集長 ▶「日本の思想リーダーズ」番組ナビゲーター 、「大紀元ライブ」番組ホスト。
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