中国:東西の貧富格差、GDP値で10倍

【大紀元日本10月27日】近年の高度経済成長に伴い、中国では都市と農村部の貧富の差が日増しに拡大し、政府による教育、医療、納税などの諸政策も、貧困層をさらに搾取、富裕層をさらに手伝う「悪制度」となっている。東の沿海部と西の内陸地域の貧富格差はすでに世界最大となり、貧困層の利益をもっと保障するようと専門家たちは呼びかけている。中央社が伝えた。 

北京理工大学経済学部・胡星斗教授は最近メディアに対して、中国の都市と農村部の経済格差と東西部地域の経済格差とも世界最大であると明らかにした。胡教授によると、北京と上海などの大都市部の平均収入は、貴州などの貧困地域の12倍から16倍であるという。

また、官製研究機構のデータによると、東部の最も裕福な省と西部の最も貧しい省の間におけるGDP格差はすでに10倍を超えている。全人口の10%を占める貧困層の収入は全体の2%に過ぎないのに対して、10%の富裕層の収入は全体の40%を超えているという。

1980年以来、中国の経済成長率は9.5%に達しているが、高速な発展がもたらした損失の大部分は農民が負担している。農耕地を例にすると、最近の13年間において、2千万ヘクタールの農地が工場、工業用施設のために徴用された。そのため、中国では農地の徴用に関する抗議活動が毎年一万件を超えている。

この現状について、胡星斗教授は記者の取材に対し、「『十一五計画』(第11期5ヵ年計画)で提起した新しい発展モデルは、従来の『効率優先・次に公平配慮』から『効率公平ともに重視』の制度に変更したという。これは社会に現れた不公平な諸現象が日増しに増加することで惹起された社会治安、経済発展の諸問題を中央政府が重視していると意味するという。しかし、当発展モデルを導入することで、一部の地方官僚、地方企業の利益と衝突することは避けられない。このような衝突をうまく処理するため、当局はより民主的な制度と健全な法制度をつくることで、初めて既得利益者の特権を排除するとともに、貧困層の利益を保障することができるという。

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