2004年度中国国営企業は、3500億元の資産流失
【大紀元日本11月17日】一部国有企業に対する2004年資産管理調査の結果によると、3521・2億元の資産を失ったことが、11月7日、中国国家資源委員会の主任・李融栄氏によって明らかにされた。
中国国内の「経済参考」という新聞によると、巨額の国家資産が流出した原因は、多くの国営企業は数年来企業の管理制度が整っていない、企業の意識決定に関する体制の不健全性に問題がある。一部の国有企業の経営ミスと資産流出は深刻で、大量の不良資産をもたらし、企業の成長が制約されていると李融栄氏は指摘した。
北京科技大学管理学院教授・劉澄氏は、公表した3500億に対しびっくりする方があるかもしれないが、長年累積した国有資産の損失は、決してこれ位ではなく、これはあくまでも資産整理を通って確認したもので、氷山の一角に過ぎない。確認されていない国営企業のぶんも考えると単純に計算しても数万億元規模に達するだろうと話した。
劉氏の分析では、資産損失の中で通常のケースを考えると2、3割が回収できる。つまり、800~900億元の損失が避けられるはずだったが、何らかの原因によって回収できなかった。これは現在の国営企業の最も深刻な問題だ。国家資源委員会の調査結果でも回収できる資産は結局不良資産になった。こうした損失は総資産損失の4割を占めていることが分かった。さらに、無駄な企業投資が巨額の損失をもたらした大きな原因と劉氏は指摘した。
清華大学の中国経済研究センターの寧向東教授は、同様に国営企業の間では業界での重復投資が目立ち、激しい競争によって企業投資の採算が合わないことになった。また、多くの国営企業の生産性は低い一方で、コストはずっと高い水準にあり、直接資産損失につながることになる。それは国営企業にとって従来から存在している問題だという。
経営ミスと企業の決定ミスについて、李融栄氏は経営組織の構造では行政からの不正関与があり、政策決定、監督などのメカニズムが明確になっていないのが原因だという。