中国の鳥インフルエンザ感染ルート、求められる情報の透明化
中国農業部は11月30日、新疆ウイグル自治区新源県で鳥インフルエンザが発生してから、周辺を含めて、すでに11万羽を超える家禽を処分したことを発表した。中国国内での鳥インフルエンザ発生はついに30例となった。米国専門家およびメディアは30日、中国当局は新種ウイルスが人に感染したとの見解だが、中国当局に対して、さらに情報の透明化を強く求めた。
米国ワシントン州防疫センター専門家ファーチ氏は、ウイルスの変異は予想していたとし、中国が提供したウイルスはベトナムで収集したものと比較した際、毒性は大差なかったと述べた。中共衛生部部長・高強氏は先日、鳥インフルエンザのウイルス変異発生および情報隠蔽を否定したが、ファーチ氏は、中国側が鳥インフルエンザ感染例をすべて発表したのかについては懐疑的であるとした。
また、鳥インフルエンザの感染ルートについて、フランス在住の熱帯病専門家、ベトナム人医師・潘明厳氏は本紙インタビューに対して、H5N1型ウイルスは家禽によって人へ感染すると報道されているが、感染ルートについての説明はなかったと指摘した。潘医師は、アジアではそれぞれの家禽の排泄物を魚のエサとして河川へ流す習慣があると説明した。また、人の排泄物も養殖池と直結しているため、人および家禽家畜のすべての排泄物は魚のエサになると述べた。
潘医師によれば、15年前、世界保健機関(WHO)が上述したアジアの排泄物の伝統的な処理方法をアフリカの貧困国家へ導入したという。鳥インフルエンザが発生している現在、上述の方法を行っているアジアおよびアフリカにおいて、飼育された家禽家畜および魚が食卓に上る可能性が高く、人への感染が高いと強く懸念した。潘医師は、中国でもベトナムと同様なことが起こり得ると述べた。
また、ベトナムでは11月21日まで、64の省で鳥インフルエンザに感染された19例が確認された。当局は11月15日、感染地区の家禽を処分する法令を下したが、実際に処分された証拠はなかったという。また、飼育農家らは、政府より取得した補助金は家禽販売後の利益より低いため、処分すべきものも処分されずに市場に出回っている可能性があると示した。