香港TV『鳳凰衛視』駐米支局関係者、米国内でスパイ活動
【大紀元日本12月5日】先月21日、米国で米軍先端ハイテク兵器の情報を窃盗した容疑で、中国系スパイ3人に対する法廷審理が行われた。そのうちの1人、麦・ダーホン氏は香港のテレビ局・「鳳凰衛視」の駐米支局の創業者。容疑者らは中国共産党と親密な関係にあり、今回の事件の背後には「鳳凰衛視」の影が潜んでいるとの見方がある。
3人の容疑者らは1990年から米海軍基地内で極秘情報の収集活動を開始し、米軍側との工事契約の機会を利用して、イージス戦闘艦、シーウルフ級攻撃型潜水艦などの米軍ハイテク兵器の情報を集め、収集された情報を中国当局の情報部門に引き渡していた。3人が10月末にFBIに逮捕され、11月15日にスパイ容疑で起訴された。
事件発生後、香港ジャーナリスト、「開放雑誌」の編集長・金鐘氏は、「中国共産党は以前からもメディア組織を利用してスパイ活動を展開した」と指摘、中国の新華社通信を例に事実を分析した。「香港の新華社支局は公にはメディアと称するが、実態は中国共産党が香港に設けた党組織で、香港における情報収集、共産党による謀略情報の任務を担っている。その組織は特権と莫大な資金と人力をもとに、香港の政治などの各分野に強い影響を与え、第一線の各種情報を収集し、中国共産党指導部に報告する。中国内でも新華社の記者は絶対的な特権を持っている」と見解を示した。
また同氏は、「鳳凰衛視は海外のCCTV支局(中央テレビの略称、中国共産党の政府メディア)であることは公然の秘密だ。中国共産党は入念に鳳凰衛視を海外メディアとして作り上げ、国内向けの反台湾独立宣伝に利用している」と指摘した。「中国人は鳳凰衛視を香港メディアと誤解しているが、香港メディアは玉石混合でこのように中国共産党を偏って称賛することはない。このことが香港のマスコミを憤慨させている」と怒りを顕にした。同氏は、「今回の米国スパイ事件で一部の内情が暴露されるはず、絶対に鳳凰衛視にとって不利になる」と確信を見せた。容疑者3人は皆容疑を否認しており、来年1月から初公判が行われる。
(記者・林怡)