米国人技師、中国ハッカー「タイタン・レイン」を追跡

【大紀元日本12月25日】米国防総省は8月下旬、これまでの2-3年、中国ハッカーが大陸のサーバーを利用し、米国防総省及びその他米国政府組織のコンピュータ・ネットワークに侵入を試みていたことを明らかにした。米連邦捜査局は、これら中国の組織的ハッカーを「タイタン・レイン」と名付けている。米タイム誌はこのほど、これらのハッカー組織を追跡した米国人技師ショーン・カーペンター氏について報じた。

カーペンター氏は、米国サンディア国立実験室の中級技師である。同氏は、連続4ヶ月、毎朝2時から先端技術を駆使、中国の『聊天室』、『BBS』等のサーバーに隠密に進入、疑わしいハッカーの不正アクセスを米連邦捜査局に通報していた。同氏は、「スパイダーマン」として知られ、米軍と米情報機構が中国ハッカー「タイタン・レイン」を追跡することを希望。同氏は2年前、「タイタン・レイン」が米ロッキード・マーティン社とサンディア国立実験室にしかけた攻撃を発見した。

「タイタン・レイン」の犯行の手口は、侵入到達した文献の窃盗。韓国、香港、台湾などを中継し、大陸に伝送していた。一連の攻撃時間は10分から30分、迅速で犯行の痕跡を残さず、追跡の端緒を掴ませなかったため、容易にシステムに侵入していた。

カーペンター氏は、「通常のハッカーは侵入に成功すると歓喜してつい失敗するが、このグループは極めて冷静でプロの犯行」と述べた。同氏は、ついにハッカーの最後の足場を中国南方広東省であることをつきとめた。ハッカー攻撃は、現地の三つのルーターを中継点としてインターネットに発信されていた。

中国はここ数年、米国内での情報収集活動を活発化しており、ハッカーは新しい型。米国国防省スポークスマンは、省内のコンピュータが一日数百回攻撃を受けていると述べた。米国防省2005年白書は、「中国人民解放軍は情報ソフト開発部門を立ち上げ、ウィルスにより敵軍コンピュータを攻撃するソフトを開発した」と発表した。2003年11月、国防省のコンピュータ数百台が攻撃を受け、『トロイの木馬』に感染。当局は中共政府の仕業ではないかと疑ったが、事態ははっきりしないという。

米国情報機関にとってインターネット上の架空の敵を相手にするのは難しい。色々な規制に縛られ、対ハッカー要員が不足しているためで、米国の政治家も中米関係には神経を尖らせている。米連邦捜査局も調査には制約があるため、カーペンター氏のようなボランティアで働く「スパイダーマン」が愛国心から防御に乗り出している。同氏は最終的に、広東省の端末3個に自らの対ハッカープログラムをインストールすることに成功、2週間で23,000件の不正アクセスを突き止めた。2005年3月、同氏の秘密活動が発覚、米連邦捜査局から調査活動を中止するよう通告され、実験室を解雇された。米国の法律では、「何人でも外国のコンピュータに侵入する行為は違法」と規定されている。

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