中国住民、貧困の主要因は教育費
【大紀元日本3月16日】中国のシンクタンク調査会社が発表した「2005年中国住民生活品質指数研究報告」によると、教育費は、中国の住民に貧困をもたらす主要な原因となっており、「知識及び技能の欠如」が、彼らの失業原因の一つとなっている。
「中国青年報」の報道によると、この調査は、シンクタンク調査会社「零点調査」及び「指標資料」二社が共同で、北京、上海、広州、武漢、成都、沈陽、西安、南通など8の大中都市、浙江省紹興諸曁、福建省福州長楽、遼寧省錦州北寧、河北省石家庄辛集、湖南省岳陽臨湘、四川省成都彭州、陝西省咸陽興平、湖北省武漢省黄陂など数箇所の小都市及び周辺の農村において実施されたもので、サンプル数は4128人であった。
都市、農村では貧困を自認する人が多い
調査会社関係者によると、この調査における「貧困」は、相対的な貧困を指している。すなわち、現地において自分が貧困水準であると調査対象者が認識する貧困水準である。
調査結果によると、相対的に、都市及び農村において、自分の生活が貧困であると考える者の割合が基本的に同一で、ともに20%前後であった。また、自分の生活が比較的、裕福であると考える人の割合は18%前後であった。相対的に見て、小都市住民の貧富の格差に対する捉え方はこれほど顕著ではなく、自分が貧困であると考える人の割合はわずか15%であったが、自分が裕福であると考える者の割合は4分の1を超えていた。
教育と医療支出は貧困住民の2大負担
調査によると、教育費は、都市や農村に住む人々に貧困をもたらす主要な原因となっている。学校に通う子供を抱える農村家庭のうち、子女の教育費が家庭収入に占める割合が32.6%である一方、都市、小都市の家庭において占める割合は、それぞれ25.9%、23.3%であった。
貧困住民の第二の負担は、医療費用である。農村地区ではとりわけ顕著で、自らを貧困と認める者のうち、約25%が、貧困の原因として、「家庭内に病人がいる」ことを挙げている。2004年10月から2005年10月にかけて、農村家庭の医療費の家庭収入に占める割合は21%であり、都市の7.9%、小都市の9%を遥かに上回っている。国務院発展研究センターの資料によると、中国において、一度大病を患えば、平均で7000元余りの支出が必要となる。一方、全国農民の純収入は、毎年2000元前後である。
貧困住民には、技能、機会が欠如
様々な支出が日毎に増加する中で、貧困住民はこれに対処できない。彼らがお金を稼ぎたいと考えても、どうしてよいのか分からない。 「知識及び技能の欠如」が顕著な人々は、都市、農村において、お金を稼ぐことができないことが分かった。これは、教育費の高さに起因する教育の不平等と関連がある。
注目すべき点は、都市及び小都市の住民は、「人脈及びコネ」が無いことを、お金が稼げないもう一つの主要な原因として挙げていることである。このほか、10%を超える人が、「家族がうまく人に取り入ることができない」ことを貧困の原因として挙げていた。
「零点調査」会社関係者によると、総体的に、貧困の根源は、やはり、「教育」にあるという。なぜなら、教育費が高いために、学校に行くことができない人たちは、仕事に就く為の知識、技能を得ることが出来ないからである。従って、「教育の公平」が、貧富の格差を縮小する大前提となる。