米政府、中共に、法輪功学習者の臓器摘出問題、全面調査を要求

【大紀元日本4月5日】米政府は先月31日、中共政権に対し、法輪功学習者の臓器を摘出・売買する秘密収容所の存在を全面的に調査するよう要求した。中共は3月28日に事実を完全否認したが、米国国務省のスポークスマンは中共政権に対し、全面調査を行うよう要求した。一方、国連人権委員会の拷問問題の特別調査官マンフレッド・ノーワック氏も、現在、全力を挙げて調査を行なっていることを明かした。また、中共政権が海外メディアによる現地調査を歓迎すると表明したため、「希望の声」ラジオ局(本部=米ニューヨーク)は取材許可を申し込んだ。米国VOAが報じた。

米国国務省:事実確認まだしていないだが、中共政権と接触した

米国国務省のスポークスマン補佐エローリー氏は、3月31日の定例記者会見で、「中共政権が(臓器摘出する秘密収容所の)事実を完全否認しているが、我々は全面の調査が必要と表明した」と述べた。

法輪功学習者はこのほど、ホワイトハウスの前や、ニューヨーク、サンフランシスコ各地で、ハンストと抗議集会を開き、国際社会に対し、中国国内で法輪功学習者の臓器を摘出、売買する秘密収容所を調査するよう、訴えている。

エローリー・スポークスマン補佐は、「我々は非常に厳粛にこのような報道を対応している。現時点ではまだ事実の確認をしていないだが、この事件について、すでに中共政権と接触した」と明かした。

国連拷問問題の特別調査官、秘密収容所の存在に関心を示す

BBCの報道の中で、国連人権委員会の拷問問題の特別調査官マンフレッド・ノーワック氏が、法輪功学習者が暴露した秘密収容所の存在に注目していると述べ、全力を挙げ調査を行い、充分な証拠でこのことを証明できれば、中共政府に対して、正式に対応を求める考えを示した。

AFP通信: 中共軍部の医療関係者の証言を報じる

AFP通信は、「中国瀋陽市蘇家屯の秘密収容所で6000人以上の法輪功学習者が監禁され、75%の人はすでに臓器を摘出された後に死亡し、焼却処分された」と報じた。

報道の中で、法輪功が提供した最新情報を伝え、瀋陽市軍区総後勤部の軍医の証言を引用し、蘇家屯秘密収容所の存在に関する情報や、内部情況などを報じた。さらにこの軍医によると、蘇家屯秘密収容所は、中国36の秘密収容所の1つにすぎないという

中共、死刑囚からの臓器摘出と、秘密収容所の存在を完全否定

現在中国は世界最大の臓器移植中心地となり、年間計1万件近くの臓器移植をしている。去年7月に中国衛生部の副部長・黄潔氏が国際社会に対し、「中国での臓器移植はほとんど死刑囚からの臓器である」と発言した。しかし、中共外交部のスポークスマン・秦剛氏は、3月28日の記者会見で、海外で暴露されている死刑囚からの臓器摘出は完全な嘘だと発言、法輪功学習者の臓器を摘出・売買する秘密収容所の存在を完全否定した。「中国の司法制度への悪意攻撃である」という。さらに秦剛氏は、国際メディアによる蘇家屯での現地取材を歓迎すると示した。

海外メディアによる現地調査を許可する?

中共スポークスマンが海外メディアの現地調査を歓迎すると発言した後、親中派の香港紙「大公報」は早速、中共の許可を得て、現地を取材した。「大公報」の報道では、蘇家屯区の副区長・鄭濱氏の談話を引用し、「『遼寧省血栓病中西医結合治療中心』(地下に秘密収容所があると暴露された病院)は、国内有名の血栓病治療の専門病院で、去年国家中医薬管理局に『全国農村中医工作先進区』(党の模範企業)に選ばれた」と報じた。さらに報道の中で、当病院の暖房供給のボイラー室の写真を公開し、これは「捏造された死体焼却炉」と伝えた。また鄭濱・副区長は海外メディアによる現地の自由取材を歓迎すると表明、「デマは智者のところで収まる」と語った。

「希望の声」ラジオ局は、中共政権に現地での取材を申し込んだ。法輪功問題に関心を示しているこのラジオ局や、その他の欧米メディアによる現地での自由取材が許可されるかどうかは見所だ。

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