東華大学学院長:中共経済は過剰生産の泥沼に

【大紀元日本5月6日】中共主席胡錦濤ブッシュはワシントンで会談を行い、米中貿易問題が議論の焦点になると予想されるが、東華大学人文社会科学院の高長・学院長は、中共経済に関心を持つ者は、中共の過剰生産能力が企業の利潤に影響を与えており、高度経済成長の内部で、決して健全ではない現象が現れていることに留意すべきであると強調している。

ブッシュ-胡錦濤会談がまもなく実施され、貿易、人民元等の経済貿易問題について、何が宣言されるかが世界の焦点となっている。しかし、経済部投資業務処の発行による「全球(世界)台商(台湾系企業)e焦点」電子報における高学院長の分析によると、事実上、中共経済において、過剰生産能力の問題は、すでに日増しに突出してきており、注意を払う必要がある。中共国家統計局の資料によると、今年の中共経済の成長率は8%以上を維持するとされているが、経済の高速成長と同時に、過剰生産能力によるデフレと企業利潤の下落などの問題が続々と現れており、こうした高度経済成長の内部で決して健全でない現象が現れていると高学院長は強調している。

中共国務院発展研究センターの研究報告資料によると、2006年における鋼材の国内供給量は4.5億トンに達し、前年同期比で48%増加したが、総需要量は3・37億トンであり、需給の差額は1・2億トンとなっている。中国冶金工業計画研究院の推計によると、供給超過量は約5000万~6000万トンの間となっている。これら二つの機関の推計値は異なっているが、鉄鋼業における過剰生産能力の現象に対する視点は同じである。

このほか、関係する統計によると、アルミニウム産業における生産能力は、すでに1030万トンに達しているが、このうち、遊休能力は約260万トンとなっている。鉄合金産業における生産能力は2213万トンであるが、企業の稼働率はわずか40%程度である。また、コークス産業における生産能力は、1億トンの需要超過となっている。コンクリート産業は全体的に供給超過となっており、生産能力に若干の過剰が見られ、価格が小幅で下落し、産業全体の収益力が顕著に下落しており、企業の損失が増加している。

自動車産業における生産過剰の問題においても、悪化の兆候が見られる、高学院長は次のように分析。中国自動車産業における生産能力の利用率は、わずか55%程度であり、国家発展改革委員会の発表した資料によると、当産業における毎年の生産能力は、約800万台であるが、このほかに建設中の生産能力が、約220万台ある。このため、建設完了後における自動車の生産能力は、累計で1020万台となるが、2005年における自動車の総販売量は、推計で550万台前後しかなく、45%前後の生産能力が、十分に利用されていない。

高学院長によると、中共経済における生産過剰は多くの問題をもたらすという。企業においては、生産品価格の下落に伴って企業の利潤が大幅に下落し、損失が増加する。2005年第一~第三四半期の資料によると、企業の損失額は、前年同期比で57%増加している。市場の需要について、貿易黒字が増加を続ける一方で、輸入需要は不振である;こうした現象は、高度経済成長の背後に隠されたもう一つの側面である。

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