北京五輪期間中に流動人口制限、出稼ぎ労働者100万人を強制排除

【大紀元日本9月19日】北京市2008年環境指揮部はこのほど、オリンピック立法作業動員配置会議を開き、最初の立法化を待つ65項目について、意見を求めた席上、オリンピック開催期間中に、北京市は状況によって、流動人口に対して制限を行うことを明らかになった。流動人口の内、都市基礎建設項目に関与している出稼ぎ労働者100万人に対して、帰省することを勧める方向に定めたという。一方、今回の立法化の意図は、オリンピックの国民全員参加の精神に反すると指摘された。

華夏日報等中国メディアの報道によると、オリンピック立法作業協調チームオフィス主任の周継東氏は9月14日、オリンピック開催期間中に、北京市は4種類の流動人口に対して、状況による調整を行うことを明らかにした。同氏は、都市基礎建設項目に従事している出稼ぎ労働者の100万人に対して、建築委員会が施工企業整備建設制度に沿い、帰省させる方針であると示唆した。また、都市にいるホームレスや乞食に対して、法に則り「保護」を行うとし、特に未成年者に対して「強制保護」を行うという。廃品回収、移動式理髪業等レベルの低い業種の従事者の一部に対して、期間中に北京から排除することにしたという。さらに、他の地方からの上京する者は県級以上の証明書を提示した上、初めて北京入りできるように、上京者人口の制限を行う国務院通告により、根本的に流動人口をコントロールするという。同氏は、北京市政府は市の人大常委会に対して、オリンピック立法の権限を授けることの申し込みも考えているという。

しかし、立法の意図は当局が提唱する「全民の関与」というオリンピック精神と相反すると指摘された。インターネット使用者たちはネットのブログで「SARS感染拡大時、出稼ぎ労働者も次々と北京から逃げ出した際、北京当局担当者たちは、オリンピックの建設工事現場まで駆けつけ、そこに残った労働者に対して、勤勉なオリンピック建設大軍と激励し、労働者たちは優良な質を持つ道徳高尚の人々で、オリンピックや国家のために大きく貢献した功労者であると褒めちぎった。しかし、これらの功労者は今、北京に滞在する権利が剥奪されようとしている」などのような書き込みが多くあった。

インターネットのブログでは、「今回のオリンピックは、国民の税金を使い、五輪に関連する交通施設の改善、幾つか代表的な建築物を建て、最終的に、首都および一部の裕福者のみが恩恵を享受できるのだ。中央テレビ局が報道する祝賀イベントの時に、画面に出てくるのも比較的に裕福で、基本的な衣食が満ち足りている都市しか映さない。殆どの都市はそれらの祝賀儀式の中で消されて跡形も残さなくなるのだ」との書き込みもあった。

上述の流動人口の4つの措置について、北京大学人口学の陸杰華教授は、民衆の意見を取り上げ、検討した上より合理的安定した措置を練り出すことを主張し、それにより、オリンピックの国民全員参加の精神に一致するとの考えを示した。陸教授は、強硬政策から人間性のある政策へ転化し、合理的な制限手段を講じることが肝心であるとの見解を示した。

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。