オゾンホール拡大、北米大陸相当

【大紀元日本10月25日】米航空宇宙局(NASA)は19日、今年の南極上空のオゾン層の規模および希薄さは共に記録を更新したことを明らかにした。

NASAの科学者ニューマン氏は、「9月21~30日の間、オゾン層の拡大は観測史上最大となり、面積は2740万平方キロである」と話した。同氏は、成層圏の気象条件が正常であれば、オゾン層の拡大は約2300ないし2400万平方キロであるとし、北アメリカ大陸に相当すると明らかにした。

NASAの衛星観測によると10月8日、南極東部の氷床上空のオゾン層総量は85強ドブソンユニット(DU)しかなかった。一方、米海洋大気局は10月9日に測定したオゾン層総量は93DUにしか達していなかったという。これに対して、今年7月中旬に測定された数値は300DUだったことから、オゾン層の濃度が急速に下降していることが分かった。

*拡大規模は記録更新

米海洋大気局は今回、海抜13から21キロ離れた大気中で測定されたオゾン量はわずか1・2DUだった。それに対して、7月に測定した数値は125DUだった。オゾン層濃度が220DUより低い場合、オゾンが拡大したことを示すという。

米海洋大気局グローバル測定部門主管のホフマン氏は、「大気層にあるオゾンがほとんど消えてしまった」と話し、今年のオゾン量は垂直的な消え方であることから、オゾン層の拡大も記録を更新するとの見解を示した。ホフマン氏によると、南極のオゾン層の濃度が毎年希薄になる原因は、人から排出される臭素や塩素であるとした。また、温度の変化も南極上空のオゾン層の拡大に影響するとし、比較的に気温の低い気象はオゾン層を拡大へと導くが、温暖の場合はオゾン層に対して逆の作用になるという。

オゾン層の破壊に関連するフロンなどの塩素を含む化合物はすでに使用禁止されている。科学者たちは、オゾン層を破壊する化合物は、大気の下層において1995年より緩やかに減少し始めているが、2065年にならなければ、破壊されたオゾン層は元に戻らないという。

注:ドブソンユニット(DU)とは、ある地点の上空に存在するオゾンの総量を表し、大気の上端から下端までの全層に存在するオゾンを仮に地上に集め、これを0℃、1気圧にしたときの厚さのcm単位での数値を1000倍したもの。m atm-cmともいう。例えば、300DU(=300m atm-cm)は、3mmの厚さに相当。

関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明