新唐人韓国公演取消事件: 韓国主要メディア、社説で政府を譴責
【大紀元日本1月9日】「朝鮮日報」を含む多くの韓国主要メディアは7日、新唐人テレビ(本部・米ニューヨーク)が主催した「中韓民族演芸の夕べ」公演の突然のキャンセルについて社説を発表し、韓国政府が経済利益のため中国当局の圧力に屈したと譴責した。同政府はこれまでに何度も中国当局の圧力に影響を受けていることから、同政府は経済利益の脅迫を受けず、原則を守り、正々堂々と韓中外交関係を構築すべきとメディアは主張している。
報道によると、アメリカ在住の華僑が設立した新唐人テレビ局(NTD)が、今年1月6、7日に韓国国立劇場で民族演芸プログラムの公演を行う予定で、昨年9月に同劇場と契約を交わしていたが、先月末になって同劇場が突然、契約の取り消しを同局に通達してきたという。
キャンセルの理由について、新唐人テレビは同局のホームページで、中国当局が韓国文化観光部を通じて、韓国国立劇場へ圧力かけたことによるものとしている。国立劇場側も当初は「中国政府は新唐人テレビが中国政府の敵対団体であるとし、韓国外交部へ強く抗議したため、文化部から公演の取消通達が来た」とメディアの取材に説明したが、のちに、「文化部からは何の公文通達も来ていない。公演の取消は、新唐人テレビが契約を順守しなかったからだ」と前言を撤回した。
国立劇場の前言撤回について、知識層読者を多く有する「京郷新聞」紙は7日、国立劇場の取り消し理由は説得力がないと社説で論じた。同紙の分析によると、▽劇場側は素早く外交通商部に同調した口ぶりに疑いを持たざるを得ない▽韓国政府関係者は「出演者の中に法輪功学習者がいるため、我々は最初から注意をしていた」との話から、今回の取消は中国政府と明らかに関係しているという。
また、韓国最大手メディアの「朝鮮日報」の社説は、今回の公演内容はまったく政治色がなく、中国および韓国の伝統芸術であり、韓国のみならず、世界30都市ですでに巡回公演が始まっているが、政府当局に取り消されたのは韓国だけであると指摘した。社説は1982年に豪州政府がダライ・ラマ14世を招待した例を挙げ、中国政府は当時それに干渉し経済制裁で豪州政府を恫喝したが、豪州政府はそれに屈さなかった。実際、中国政府は豪州に対して報復的な処置は何も行われなかった。社説は、韓国政府が外交原則を堅持していれば、中国当局も今回のように「内政干渉」はできないと指摘した。
「京郷新聞」も社説で、世界の自由国家の中で、韓国が唯一チベットの精神指導者ダライ・ラマ14世を入国させない国であると指摘した。さらに、台湾を訪問した韓国国会議員は、在韓国の中国大使館から圧力をかけられたと報じた。実際、新唐人テレビは昨年2月にも同様に中共の圧力で、公演会場を変えざるを得なかったという。社説は韓国政府へ、新唐人テレビの公演が取消された過程を調査するよう呼びかけた一方、韓国政府の「自主的外交」のスローガンで終わらせるのではなく、今回のきっかけで中国政府との外交について根本的に反省すべきであると指摘した。
新唐人テレビは海外華人が創設し独立した非営利の中国語テレビ局で、本部をニューヨークに、世界各地60カ所の拠点に記者がいるグローバルなテレビ局。衛星を通して、北米・ヨーロッパ・アジア・オーストラリアへ向けて24時間の同時放送を行っている。新唐人テレビ局が製作した「世界華人新年祝賀祭」公演は2004年より開始し、4年目の今年は、世界30都市で61の公演が行われ、すでにバンクーバーおよびサンフランシスコでの公演が盛大に開かれた。3月中旬に初来日、関東と関西両地で公演する予定。詳細は、日本公演サイト(http://www.ntdtv.jp/gala/index.html)まで。