広東省汕尾市:発電施設の強行施工、抗議する村民が暴漢に襲撃さる
【大紀元日本1月25日】建設用地の強制収用で一昨年12月に流血事件にまで発展した汕尾火力発電所の建築工事はこのほど、後期工事に突入した。高圧送電線の鉄塔の建築用地について、送電線が通過する各村の住民との間の補償問題が未解決のまま、発電所建築関係者が雇った暴力団が介入し工事を強行したため、村民との衝突が発生し、少なくとも3人の村民が負傷した。
村民によると、政府は高圧送電線が東洲地区のそれぞれの村を通過するために、村民に対して補償金を給付することにしたが、村民たちから補償金の金額が不合理であるとして、工事を止めることにした。これに対して、発電所建築側は暴力団を雇い工事を強行したという。東洲地区の合計9つの村の内、石古村、荘秀園村、前山村などがすでに衝突事件が発生した。
村民によると「1月7日、村民の意見を問わずに、建築側は、田んぼに勝手に穴を掘り始めたから、村民たちは工事を止めようとした。それに対して、建築側は紅海湾田乾鎮の呉氏が率いる暴力団を指図して、工事を阻止する村民に対して、暴力を振るった。当時、派出所の警官、行政職員および村委員、村職員は全員が現場にいたが、傍らで見ているだけでだれも止めようとしなかった」と訴えた。
村民たちは今回の暴力事件に対して、内心不満ではあるが恐怖で口に出すことが憚られた。村民によると、赤坑鎮側の建築現場にも暴漢らを配置したという。7日、地元の58歳の村民が工事を阻止しようとした際、暴漢らの暴行により死亡したという。
一方、汕尾火力発電所の職員は記者の電話による問い合わせに対して、同件について、良く分からないとコメントした。
汕尾で起きた住民射殺事件はすでに1年以上が経過した。村民たちは政府に対して、合理的な土地補償の給付、地元政府官僚の汚職への取締りおよび村民の生活改善を求めたと同時に、2005年12月6日に発生した汕尾射殺事件の主犯を厳罰することも要求した。しかし、未だに土地補償の問題は未解決でいるという。
昨年、東洲の人権擁護者である村民・陳簽氏が、村で「汚職反対」のスローガンを掲げた時に、政府関係者に強制的に連行され、いまだに解放されていないという。村の青年は取材に対し「関係法律規定に則り、人民は集会、行進、デモをする権利があり、結社を申請する権利があると記してある。しかし、すべてがウソ偽りであるのだ。陳さんはどの法律に違法したと言うのか。ここはすでに無法地帯だ」と憤りを見せた。
村民によると、今の東洲は単なる土地収用問題ではなく、村民たちは政府に対して徹底的に失望したとし、「12・6」射殺事件は世界中に周知されていながら、中国共産党(中共)は何ら対応していないという。汚職の官僚はそのまま何事もなく毎日を過ごしていることに対して、村民たちの不満は募るばかりだ。村民たちは人権擁護のために最後まで戦うこと意気込んでいた。