北京:全人大会場周辺、直訴者多数が強制連行

【大紀元日本1月27日】全人大と北京市政治協商の2大会議が1月25日、26日に北京市国際会議センターで開催された。会場周辺は厳重な警備体制で数百人の警察と数十台のパトカーが配置された。情報筋によると、強制的に立ち退きされたことを訴える30数人の直訴者が北京当局に強制連行され、民主・人権活動家の華恵棋氏は6~7人の警察に暴力を振るわれたという。

26日午前、直訴者の華恵棋氏、双淑英(音訳)さん、王建平さん、周莉(音訳)さんはオリンピック村警察署へ連行されたという。一方、会議センター付近で連行30数人の直訴者は会議センターの一室に勾留されたという。

直訴者の華恵棋氏は取材に対して、母親の双淑英さん(78)と北京市人大代表者たちが宿泊する五洲ホテルを訪ね、区政府に強制的に立ち退きされ、6年間訴え続けても当局からは一切回答がないことを陳情しようとしたが、警察に阻止された。双さんは仕方がなく、「汚職官僚を打倒」とスローガンを訴え、訴えを書いたチラシを配った。これに対して、警察らは双さんを囲い暴力を振り、パトカーへ押し込んだ。双さんは暴力で腰を怪我したという。双さんは80歳代の夫と未だに毎日区政府へ抗議に出かけてい

黒竜江から上京した直訴者・王井鳳さんは、五洲ホテル周辺に40枚以上のスローガンを貼り付け(大紀元)

黒竜江から上京した直訴者・王井鳳さんが貼り付けたスローガン(大紀元)

歩道橋に貼り付けられたスローガン(大紀元)

るという。

黒竜江から上京した直訴者・王井鳳さんは、五洲ホテル周辺に40枚以上のスローガンを貼り付けた。王さんは黒龍江省鉄道局を定年退職しているが、同鉄道局で働いていた娘が育児休業中に突然勤務先に解雇されたため、直訴を始めたという。しかし、これまでに何度も鉄道局警察に脅迫され、理由もなくさらに半年間投獄された娘は精神的重圧を受けたため、精神異常を来たしたという。それ以来、人々の関心を寄せるために、各地でスローガンを貼ることにしたという。

一方、会場から1キロ程離れた場所にいた北京人権活動家・劉安軍氏によると、そこには40~50台のパトカーと400~500人の警察が待機しており、通行者に対して尋問し検査しているため、会場へ近づくことは困難であると示した。また、会場の東西両側に7~8台のパトカーが監視し、出入り口付近には40~50人の武装警察が配置されているとい

1月26日北京国際会議センター付近、直訴者たちが強制連行されてから、人影がなくなった(大紀元)

1月25日北京国際会議センター(大紀元)

う。

北京で開かれた第12期全人大と政治協商会議第5回会議には700人以上の代表者が参加し、両会議は1府2院の報告を行い、選挙などの事項を審議するという。北京市の劉チ・委書記、全国政治協商の鄭萬通・秘書長、王岐山・市長、市委副書記の於均波氏、強衛氏、杜徳印氏が会議に参加した。

一方、26日に北京市政府前にも千人以上の直訴者が集合したという。直訴者たちは会議センターへ駆けつける予定だったが、辿りつく前に警察に次々と連行されたという。

1月26日、北京市政府前に集合した直訴者は千人以上に上った(大紀元)

北京当局は25日より、全人代と政治協商会議に参加する代表者らの宿泊先の駐車場を警戒線を設け、進入禁止にしたという。

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