中国菜食「円卓」の基本的な礼儀作法
【大紀元日本1月30日】世界の中国語圏、中国大陸を始めとして東南アジア、世界各地の中華街、そして日本の横浜・神戸などの中華街でも、旧暦の春節は一年で最も酒食の宴がたけなわなシーズンだ。「中国菜食」は、円卓で勧めるのが通常であるが、勿論のこと決して無礼講ではなく、そこには同じ東洋の国として、「嫌い箸・忌み箸」などに代表される和食の基本儀礼とも大いに通じるものがある。
1.年長者と食事を共にする時、必ず年長者が箸をとってから、年少者は箸をつけるようにする。
2.年長者が同席している場合には、礼節を守り料理や酒を勧めるようにする。
3.年長者が食事をしている時、年長者がレンゲや箸を置いてから、年少者も置くようにする。
4.飯椀を手で持って、口を付けて掻き込まない。
5.湯(スープ)は、レンゲでもって掬って飲む。湯椀を直接に手で持って、口を付けて飲んではいけない。レンゲでスープを攪拌してはいけない。
6.箸とレンゲを一緒に持ってはいけない。レンゲを使うときには、箸は卓上に置く。
7.ガツガツと急いだり、ダラダラと緩慢になったりしてはいけない。食事のスピードは、速すぎず遅すぎず、円卓の他の人と同一歩調をとるようにする。
8.食物を箸でつまんだり、レンゲでとって他人に勧めたりしてはいけない。箸やレンゲなどの食器を舌で嘗め回してはいけない。
9.自分が口を付けた箸で料理を取ってはいけない。必ず、「取り箸」を使ってとるようにする。
10.料理中の特定の具を選り分けてとってはいけない。自分が食べきっていない料理や薬味をさらにとってはいけない。
11.卓上の料理があまり多くない場合、まず「分け与える」ことを念頭にし、座一同の意見を伺うようにする。
12.食事中は、あまり大きな声で話をしない。
13.吐き出した魚の骨や残飯の類は、所定の場所に収めるか「紙」に包むかして、卓上や床の上に散らかさない。
14.咳やクシャミをする場合には、顔面を卓上から逸らせて、口を手で覆って、失礼のないようにする。
15.大きな魚などを二対・二組の箸で同時に持ちよらない。これは「箸子打架(組み箸)」といって、非常に失礼なやり方だ。
16.食事の途中で飯椀などの食器を床に落として割ってしまったら…それは一同にとって気まずい。ある地方の習慣のように、「歳歳平安(ああ、これで誰かの不幸が身代わりになった!)」と言って、その場を取り繕おう。
17.食事の際に不要な音をたてない。レンゲや箸を椀に当て「カチャ・カチャ」と食器どうしがあたる音をたてない。
18.食事後は、レンゲや箸を最初の位置に戻す。使用したナプキンはきちんと畳んで、卓上に置く。
19.爪楊枝を使用する際には、片手で口元を隠し、使用後は紙に包むようにする。
20.麺類を啜ったり、スープを飲んだりする際には、「ズルズル」等の大きな音を立てない。これは失礼だ。
21.歯と歯の隙間に食物が挟まったら、舌で舐め採ったり、公衆の面前でほじくり採ろうとしたりしないで、必ず人目を忍んで洗面所等で処理する。婦人は、化粧なおしをしてから、再び席に戻るようにする。
22.餐館(レストラン)で食事をする際には、手掴みのような下品な食べ方をしない。酒を飲み過ぎない。そして煙草を吸わない。その礼儀のない光景は、店内の風紀を損ない、歓迎すべきものではない。
23.人を招待して宴席を設けた時には、「打包(残り物を持って帰る)」をしてはならない。正式な宴席でなければ、してもよい。