反右派闘争運動被害者ら、中共当局へ賠償「名誉回復」要求
【大紀元日本1月31日】香港「明報」によると、今年は中国共産党の反右派闘争運動から50年目に当たり、当時の被害者たちがこのほど、連名あるいは単独で、中共中央当局もしくは中央関係部門に対して、被害者たちの徹底的な名誉回復を要求、さらにまた物質的かつ精神的な損失に対し賠償を求めている。
「直訴状」の中で著名なのが、山東大学の右派とされた数人で、中共中央、全人大、国務院へ連名の公開書簡を送り、当時の冤罪を晴らし、精神的・物質的損害に対する賠償を要求した。発起人の1人で、山東大学付属中学校を定年退職した教師の李昌玉氏は、「明報」の取材で「連名の署名活動には、三ヶ月以内に全国各地から、被害者とその遺族合わせて1000件以上が集まった」と明らかにした。
*章胎和氏:当局へ物申すのは当然のこと
1957年当時に中共当局に「右派の頭目」とされた故・章伯鈞氏の娘・章胎和さんは、「北京でも、被害者やその遺族らが、徹底した名誉回復を求めている…1979年に中共当局は、右派の断罪について見直したが処理は低調で、紙切れ一枚の改正書を発行しただけで、公の謝罪はなく、教訓として反省することも無かった」と憤りを口にした。
章さんはさらに「当時右派に指定された人は55万人だが、現在生存している人たちは、半分にも満たない。全員が70歳以上の高齢だ。心身ともに深く傷ついた老人たちが連日のように押し寄せてくる。被害者とその連座された家族たちが当局に対して、物質的・精神的な補償を求めるのは当然のことだ」と主張した。
*海外有識者:賠償要求は正当
米国在住の厳家_qi_氏(中国社会科学院政治研究所の前所長)は、「反右派運動の被害者たちは、毛沢東時代に、極めてひどく傷つけられ損害を被ったため、賠償を求めるのは合理的だ。この案件の処理については、全人大常務委員会はこれを深く研究し、合理的かつ適切な決定を下すべきだ…中国が調和社会を建設したいのならば、民衆の切実な訴えを深刻に考慮すべきだ。民主と法制という軌道に則り、そういった基礎から、問題を解決すべきだ。全人大常務委員会は真剣にとらえるべきだ」との認識を示した。
*民衆の権利意識が覚醒
有識者によると、反右派闘争運動の被害者たちが表面に出て賠償要求をしたことは、民衆の権利意識の覚醒であり、賠償要求は、賠償金を使って「中国民主基金」を設立し、中国の人権・民主を促進させるためだという。また、別の有識者によると、今回の被害者らによる賠償要求運動は、中共当局がこれまで引き起こしたすべての政治運動の被害者たちの名誉回復を再考させる動機になるかもしれないという。
前出の厳氏は、「本活動の消息を知った時、真っ先に六四天安門事件を思い出した。いい機会だから…六四天安門の名誉回復を呼びかけたい。いわば、1989年民主化運動の名誉回復だ…現政権の中共指導者層は、民衆の苦しみに関心を寄せた胡耀邦氏と趙紫陽氏の政治手法を見習うべきだ。総じて言えば、中国が調和した社会を建設したいのならば、民衆からの切実な訴えに真剣に耳を傾けなくてはならない。貧困層の家庭を訪れて窮状を聞くというパフォーマンスだけではなく、実際の問題を解決しなくてはならない。胡耀邦氏は当時、中国全体の発展を考えていた。中共の指導者は、胡耀邦氏と趙紫陽氏を見習うべきだというのが、私の率直な考えだ」との認識を示した。