中国:例年より2ヶ月も早い砂嵐、懸念される黄砂災害
【大紀元日本2月20日】中国気象情報によると、中国大陸は砂嵐の発生時期に入ったという。先月から今月にかけて中国甘粛省の河西回廊地域、内モンゴル地域、青海、チベットなどですでに砂嵐が発生したという。
中国気象局の資料によると、昨年は、黄砂、台風、洪水などの異常気象が続き、特に深刻な水害が発生した1998年に次ぐ災難頻発年だったという。33万トンの黄砂が一晩で北京市を覆い、進行中の列車を飲み込み、新疆南部が数ヶ月にわたり黄砂に覆い被さっていたなどの天災が頻発化し、突然、激増した黄砂は人々に甚大な被害をもたらした。
今年1月からの遼寧地域の砂嵐発生状況は以下の通り。
1月4日、内モンゴルのカイリス市、ウハイ市ですでに砂嵐が発生し、視界は6キロメートルだったという。
1月21日、チベットのラサでは砂埃が空中に舞い上がり、砂埃は都市全体をすっぽり包んでしまい、地面も路上の車両も砂埃に覆われた。30年以上ラサに住む人は「砂嵐の時期は例年3月だが、1月にここまでひどい砂埃の発生は珍しい」と語った。
1月25日午後2時から、青海北部と甘粛省河西西部の局部地域に暴風と砂埃が舞い上がる気象が現れた。その内、青海の格爾木、托ラ、小ツァウ火の3つの駅は、午後5時と同8時に砂嵐が発生した。
1月26日午後、寧夏北部、中部等地域では砂嵐現象が現れ、一部の区・市では視界が30メートルも満たないという。また、民勤と永昌両駅周辺では、2007年最初の砂嵐が発生し、継続日数はここ6年間で最多。河西地域に2度にわたり地域性砂塵が舞い上がり、継続日数が、ここ5年間で最多。1月26日、内モンゴル自治区ジタイランで砂嵐が発生した。ここ2日間の砂嵐気象は、2007年に入って比較的広範囲にわたるものだった。
2月3日、本来は穏やかな瀋陽市も突然の砂嵐が発生し、視界はわずか10メートルしかなかったという。瀋陽市の大気自身が汚染されたため、彰武市、新民市、本渓市、阜新市等を含む遼寧省北部地区までも砂嵐の影響を受けたという。2月3日は今年に入って、遼寧省で初めての砂嵐気象であった。
情報筋によると、中国西部地区における生態悪化および経済の後退は、生態系の構造が崩れたため、土地の砂漠化をもたらし、黄砂の激増等環境問題を引き起こす原因になっているという。一方、中国の環境問題が絶えない原因の一つは、環境に対する認識および一定の科学水準に達していない他に、規制する法律がないのが問題であるという。
一方、北京晨報によると、北京市副市長は少し前に、北京地区は今年が暖冬で降雨量は不足していると指摘し、その上、中国北西部地区が今年に入って最初の砂嵐が現れたことから、春季の黄砂の深刻化を懸念しているという。