【中華の改新「チャイナ・イメージ」博物誌】方円の盤上遊戯『囲碁』①
【大紀元日本2月25日】チャイナ・イメージは絶えず姿を変えてきました。チャイナ・イメージの革新をもたらした「文や事や人」物が何であったかを、一緒に検討してみましょう。私達のチャイナ・イメージは、果たしてどこから来たのか?ユーレカ!チャイナ・イメージ。その時「壺中天」の大いなる鳴動と共に、中華の改新がやってきます。
方円の盤上遊戯『囲碁』①
囲碁は陣取りゲームだと思われています。四角い碁盤と、真ん丸い黒・白の碁石と、仲間があれば始まります。対座した二人が礼をして打ち興じます。碁は「坐隠」・「手談」・「方円」とも呼ばれる盤上遊戯です。碁で遊ぶことを、碁を「打つ」と言います。心を打つ、はっと手を打つ、とんぼ返りを打つなどに通じます。打てば響く何かが、囲碁のゲームを左右します。
「水は方円の器に随(したが)う」という諺があります。「方」は四角いことです。地方という言葉は、ここから名付けられました。大地は四角いというイメージです。「方」という考えから、四方八方という方角が生まれ、人間の住む空間が出来ます。「円」は丸いことです。丸天井のことです。天は丸いので、地球や人間の頭は丸くなっています。
「天円地方」は中国人が認識した、宇宙のチャイナ・イメージです。碁盤は四角です。大地を表わします。碁石は丸くなっています。天を表わします。黒・白は陰・陽に対応します。元気から陰気と陽気が生まれて、多様な活動の初発が切られます。太極から二極(陰・陽)が生じて、四象(地・水・火・風)に分かれ、八卦の千変万化となります。二の中に三があります。四の中に五があります。八の中に九があります。潜んで表を動かすのです。いずれこのことを解いてみましょう。
碁盤は大地ですから、19路×19路=361に区画整理されています。361に一年の日数を当てはめました。これで361目(もく)の陣地が確定します。大地である碁盤に、天の姿を投影します。碁盤の中央に「天元」と名付けられた星があり、この一点が盤上にあることによって、囲碁の世界は成り立っているのです。
黒・白の石があって天の陰・陽の活動が象(かたど)られます。盤上の四隅(90目)は四季の移ろいに相当します。天元以外に八個の星が、盤上にあります。天元と合わせて九個の星が盤上を彩って、無限の遊戯が展開します。九個の星を支配するのは、九人の仙人です。九個の星は九仙山を表して、盤上に聳え立っています。それゆえに囲碁のゲームの序盤戦は、星の近傍の布石を巡って争われるのです。
仙山は地上を抜き出て、天の世界に通じています。須弥山(しゅみせん)という世界山から降りてきたインスピレーションが、競技者の雌雄を決するという磐石のルールが横たわっています。囲碁はそもそも天界に住む仙人が、天の法則(ルール)を動かす遊戯なのです。仙人が石を打てば、響く何かが地上に生じるのです。王朝の変化や地上の栄枯盛衰、英雄の運命を左右するメッセージは、仙人の一手がどこに着手されるかによるのです。