中国株市場急落:「暗黒の火曜日」、下落率10年間で最大、世界主要株式市場に影響

【大紀元日本3月1日】中国株式市場は27日「暗黒の火曜日(Black Tuesday)」を迎えた。27日上海と深セン株式市場株価は大幅に下落し、特に、上海総合株価指数の下落率は約8・84%で、1996年12月以来の最大下げ幅となった。また、両株式市場において、27日当日約900以上の銘柄がストップ安となった。株価急落の原因は、一部の機関投資家は中国政府当局がまもなく開催される「人代会」と「政治協商会」において、株式投機活動に関連する規制を法案化するとの懸念から、持ち株を大量に手仕舞いしたと見られる。

27日、上海総合株価指数は3048.83で取引を始めたが、その後3,000と2,900の重要なサポートを次々と突破した後、午後2時26分さらに2,800を割った。最終的に前日終値比で8.84%安の2771.79で取引を終えた。深セン株式市場株価は前日終値比で9.29%安の7790.82で引けた。株価の急落により、広範囲での恐慌が引き起こされ、さらに大量な売りポジションを招いた。この日、両株式市場での売買出来高は約2千億人民元(約3兆円)に相当するという。

中国株式市場の急落により、香港、日本及び欧米主要株式市場株価も大幅に下落した。香港株式市場のハンセン指数は27日前日終値比で360ポイント安の20,147ポイントで引けた。ロンドン株式市場のFT100種総合株価指数は前日終値比で148.6ポイント安の6286.1で引け、1日の下げ幅は2・31%となった。また、米国株式市場のダウ工業株30種は一時、前日終値比で546.20ドル安、2001年9月同時テロ後に次ぐ下げ幅となった。最終的に、前日終値比416.02ドル安の1万2216.24ドルと取引を終えた。

恐慌売りで取引システムが不具合発生

株価の急落により、個人投資家から売り注文が殺到した。そのため、取引システムがかなり混雑し、一部ではシステム不具合が発生し、受注が出来なくなった。ある証券会社によると、投資家が大量な売り注文を出したため、アクセスが集中し、取引システムのサーバーが負担に耐えず、取引の受注ができない状態になったという。しかし、一部の個人投資家は取引システムがうまく稼働できなくなったのは証券会社に原因があり、取引が成立できないため、多くの損失を被われたとし、証券会社に損害賠償を求めている。

旧正月の長い休暇後に突如現れた株式市場の急落の原因について、中国国内では、中国政府当局が近い将来株式投資活動に関する厳しい規制を実行するのではないかとの懸念以外に、中国証券管理監督委員会会長の尚富林氏の離任とか、間もなくA株先物株価指数の発売ため機関投資家が持ち株を転売したとか、外貨管理当局幹部の資金流入の監督管理を強化するとの発言などが株価急落につながったとされている。

今回の株価急落は中国の株式投資家に「暗黒の火曜日」と呼ばれる1929年10月29日を思い出させたという。1929月10月29日にアメリカのニューヨーク証券取引所で株価が大暴落し、そのため米国経済に強く依存していた他の各国経済にも影響を及び、 この後いわゆる「世界恐慌」を引き起こした。

ある株投資家はネット上の掲示板で「1929年の暗黒火曜日はアメリカ株取引の歴史に暗い1ページをつけた。2007年の暗黒の火曜日はどんな将来をもたらすだろうか」と書下ろした。

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