川底に消え行く古鎮、龔灘

【大紀元日本4月22日】重慶市南部の烏江中流東側に位置する龔灘は、 三方を水に囲まれており、烏江流域の中でも有名な早瀬の一つである。古代には、五渓、夜郎に通じる軍事的な要害であった。明末・清初には、その特殊な地理的位置から、沿海から運ばれてきた食塩や日用雑貨の中継地点として栄え、10軒余りの塩問屋や100軒余りの商店が軒を並べた。

龔灘は1700年余りの歴史を持つ古い街で、歴史的文化遺跡が40箇所余りある。特に、その中でも古建築群が最も特徴ある風景であることから、「中国で最も保存状態のいい山中の古い街」と称されている。

専門家によれば、龔灘の「吊脚楼」(高床式住居)は歴史が古く、南宋のころから1963年までずっと作り続けられ、今日の規模と構造になったと言われる。その多くが、数百年以上にわたって、烏江の風雲に耐え、人の世の移り変わりを見届けてきたもので、中でも蟠龍楼、織女楼、鴛鴦楼は傑作である。

(写真は全てChina Photos/Getty Imagesより)

古建築の民家群

上方から見た龔灘の街並み

有名な「吊脚楼」

古建築群の中の商店

風光明媚な烏江

残念なことに、中国政府は烏江上流に彭水水力発電所を建設予定で、今年12月には完成する。そうなると、この歴史ある龔灘の街は完全に水没することになる。それは、そこにある重要な歴史文化遺跡も永遠に消え去ることを意味する。

引越し

取り壊し

取り壊し

取り壊し

引越し

引越し

古鎮の遺骸

歴史ある古い街の輝きは、長い年月にわたる歴史的変遷と練磨の積み重ねによって出来上がったものであり、烏江の川底に沈むのは、ただ単に古い街並みだけでなく、1700年の間に蓄積された歴史文化の遺伝子も一緒に葬り去られることになるのである。

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