北京五輪開催地、強制立ち退きエスカレート

【大紀元日本5月13日】2008年北京五輪開催地の主要会場になる朝陽区の住民たちは、当局に強制的に立ち退きされた事件が頻発し、今年に入ってから北京政府を後ろ盾にし、公安・司法・暴力団が介入し、官民衝突事件が激増した。なす術のない無辜の住民たちは、「共産党に一生を捧げたにもかかわらず、政府は大胆不敵に悪事を働いており、無法地帯の社会になってしまった。私たちは、家を失い落ち着く場所がなくなった」と憤りを露わにした。

北京朝陽区廣渠門外南大街27楼の集合住宅に住む百戸以上の住民たちは5月2日、政府側から一切の通知を受けないまま、身元不明の暴漢約100人によって住宅を襲撃された。住民によると、暴漢らは大型ハンマー、鑿などの工具を使い、家に人がいるかいないかに拘わらず、一斉に住宅の扉を破壊した。一部の暴漢はさらに住民の家の中に大量の水を流し込んだという。また、壁に赤いペンキで「殺」の字を大きく書き残したり、物を燃やしたりして住民たちを脅かしたという。これに対して、住民たちは激しく反抗したという。

水を大量に流し込まれた部屋

大型ハンマーなどで壊された壁

情報筋によると、住民たちは何度も市長ホットライン区政府宛に電話連絡をしたが、何の返事もなかったという。また、怒りを覚えて中南海へ訴えに出かけた住民は、結局、派出所へ連行されたという。年配の共産党員の多くは、中国共産党に失望し、信頼を失ったと語った。

一方、今回の事件について、住民たちは政府当局の後ろ盾がなければ、暴漢らは決してここまで凶暴な破壊はできないと指摘した。住民たちは、北京五輪のために民衆を犠牲にする政府は、仁義なく卑劣であるとし、人民の家や生命の犠牲の上に開かれる北京五輪を断固ボイコットするよう呼びかけた。

また、5月9日、まだ眠っている北京朝陽区太陽宮の20数戸の住民たちは、自宅からいきなり追い出された。その直後に、3台のショベル・カーが26戸の平屋を潰したという。住民によると、同地区は政府が計画した立ち退き地域に入っているが、今でも開発業者との協議に合意しておらず、補償ももちろん受けていないという。実際、朝陽区にある中央テレビ局の新社屋も強制立ち退きの対象にされたという。地元の人々は、まるで北京入りした強盗が、政府当局と結託して白昼強盗を働き、大々的に財を成したようだと嘲った。また、一部の住民によると、悪人らは「物権法」が実行される前に、強制立ち退きを行い、機会に乗じて一儲けするのだという

うろつく暴漢ら

住民が蒐集した切手を電気ストーブで焼く

壁に赤いペンキで書き残された「殺」の字

(記者・馮長楽)
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