中国四川省:深刻な干ばつ、長江三峡のダム建設が原因か
【大紀元日本6月8日】中国四川省で深刻な干ばつに見舞われている。400万人と450万頭の家畜の飲用水供給が困難に直面している。専門家によると、三峡ダムが干ばつを招いた原因とみている。
中国メディアの報道によると、5月から、四川省の降雨量の分布は非常に不均衡である上、高気温が連日、続いてきた。6月5日までに、80の県・市が干ばつの影響を受けている。四川省気象局の公表によると、これらの県・市では、連続して20日から40日間に雨が降っていない。四川省水利庁の統計によれば、11万6千人の生活用水は、他所からの送水に依存しているという。
持続的な干ばつは農業にも影響している。稲作も予定通りに進まず、大量の水田は水がないため田植えができない。一部の地区では実際の田植え面積は計画の50%にも達していない。すでに田植えできた水稲や、とうもろこしなどの農作物も、干ばつのために、成長が思わしくなく、枯れる現象も起きている。
人民ネットの報道によると、被災状況が最も深刻なのは遂寧市。すでに30日間以上に降水がない上、去年と今年の春も深刻な水不足のため、住民の生活は影響を受けている。同市では、いまだに1億平方メートル近くの水田で田植えができない。一部の地域では、すでに断水が1ヶ月続いたという。
現地メディアの華西都市報は、「去年と今年の真夏に、四川省東部と重慶市は続けて50数年ぶりの干ばつに遭遇した」と報じ、専門家の話を引用し、「長江三峡のダム建設は干ばつを招いた主要な原因」と指摘し、「三峡は、盆地が外部と水蒸気の正常循環ともたらす主要な通路である。しかし、ダムはその通路を塞いでしまったため、水蒸気が長い間、正常な循環をできずに、盆地に位置する四川省に高温と降雨量不足の天候をもたらした」と分析した。
中国メディアの報道によれば、今年3月初めから、中国北部と西部地区で発生した干ばつは、1500万ヘクタールの農地と、750万頭の家畜を影響したという。中国農業部は、干ばつは夏シーズンの農作物の収穫にダメージを与えると警告している。