米国:中国製の汽車の玩具を回収

【大紀元日本6月16日】米国消費品安全委員会と玩具会社RC2は塗装に使用している塗料中に児童が中毒を起こす危険がある鉛が含まているとして中国製の汽車の玩具「トーマス」1500台を回収したことを通告した。

委員会のスポークスマン、スコット・ボブソン氏は、これは世界中を対象範囲とした初めての回収通告であり、RC2社が取り扱った1500台の木製の汽車の玩具に関するものであると説明した。

RC2社が声明を出した書面の中には2005年1月~2007年4月までに中国で生産された『Thomas&FriendsWoodenRailWay』の文字が書かれている木製の汽車の表面26ヶ所の塗料に鉛が含まれていたとあり、回収された製品は米国内で販売しているものの4%をしめていたという。また、同社は回収通告を出す前にこの塗料に含まれた鉛によって児童が中毒を起こしたという報告はなかったことを強調している。

鉛は人間の健康を害する重金属の1つで、成長の盛んな時期の児童は鉛の毒性に対し特に敏感である。鉛を含んだ玩具に児童が触れたあと、鉛は呼吸器と消化器官を通り抜け、体内に侵入し骨に蓄積し、かつ、血液の流れに乗り全身の器官へ行きわたり、下痢、貧血、嘔吐などの中毒反応を引き起こす。さらに児童の発育、知力、成長に大きな影響があるとして、1978年から米国では塗料に添加することを禁止している。

ボブソン氏は「米国では鉛を含んだペンキは禁止されている有毒物質である。我々が玩具或いは他の製品の塗料のなかに基準値を超えるものを発見した場合、これら全ては児童の成長に害があるとみなし、直ちにこの製品の販売を禁止し、さらに回収することを通知する」と話している。

委員会の統計によれば、2007年に彼らが回収通告した製品の60%は中国からの輸入品だったという。これにより、中国からの製品の品質はこの問題と密接な関係があることを意識し、問題のある中国製品を回収するだけではなく中国政府と交渉し、製造工場を告訴。危険性の高い製品の米国に向け輸出を停止させると話した。すでに北京へ行き、中国政府と製造販売会社に対し、彼らが米国の法律と基準を遵守するよう要求したという。

米国RC2社は、すでにこの玩具を販売した小売店はただちに店頭から関連商品を撤去し、この玩具を回収された消費者には指定の店で安全なものと交換できるように手配したと伝えている。

このほかにも、先日の中国から輸出された歯磨き粉に有毒物質のジエチレングリコールが検出され回収令が出たばかりである。ちなみにジエチレングリコールは体内で酸化した後シュウ酸となり、腎臓障害を引き起こす可能性があるという。

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