Book of the universe - opened magic book with planets and galaxies. Elements of this image furnished by NASA

時代と民族を超える輪廻の旅(3)

前出の英国のマッコリー君や中国の唐江山君の例だけでなく、類似した事例は世界各地にあり、輪廻転生の考え方は、特定の民族や宗教に限ったものではないといえる。しかし、全ての社会で、それに関して研究が進められているわけではない。南アジアのある地域では、輪廻は常識のようなもので、誰も研究しようとはしないし、中国大陸には、研究のための自由な空気がない。これらの地域に比べ、西洋では、厳粛な学術態度と相対的に自由なアカデミズムによって、輪廻研究のための条件が創り上げられた。

 西洋の輪廻に関する系統的な研究は、遠く1882年の「心霊研究協会」成立まで遡る。その協会の主要な目的は、霊媒師が自動書記などで著す死後の状況を調査し、明らかにすることであった。1882年から1930年の間、フランス、イタリアなどの協会研究者らが、前世を記憶している人たちの事例を集めた。その中には、長期的な調査による裏付けがあり、十分に説得力のあるものもあった。こういった個人の前世の記憶を基に調査、実証する方法は、「伝統的方法」と称されている。

 また、催眠療法を使った別の研究方法もある。フランスの最も有名な特異現象の研究家であるアルベルト・デ・ロハス氏は、初めて系統的に催眠法を利用し、被験者を前世の記憶の世界に遡らせた。そして、被験者が輪廻転生に全く無関心の場合でも、彼が退行催眠をかけると、彼らはほとんど例外なく前世の記憶を思い出すということがわかった。ロハス氏は、1905年に自ら発見したことを文章にまとめている。

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