中国土地砂漠化問題、人為的要素が主因
【大紀元日本6月18日】中国の砂漠化した土地は全国土地面積の約18%を占め、深刻な問題になっている。甘粛省で長年砂漠化問題に取り組んでいる専門家は、その主な原因とは水不足であるとしているが、問題を深刻化させた原因は、乱開発、乱放牧、乱伐採などの人為的要素が殆どであると指摘した。中央社が伝えた。
6月17日、中国国家林業局副局長の祝列克氏は、第11回「世界砂漠化および旱魃における予防と解決」会議で、中国の砂漠化状況および最新動向を紹介した。
祝氏は、中国には現在174・3万平方キロメートルの土地が砂漠化しており、全国土地面積の18・2%を占めているとし、砂漠化による直接経済損失は毎年540億元(約8,316億円)に達し、約4億人の生活に影響を与えていることを明らかにした。
一方、土地砂漠化は「地球の癌」と言われ、原因は極めて複雑であり、近年における世界的気温の上昇、持続する旱魃などの自然要因のほか、人為活動も原因として挙げられている。「科技日報」6月15日の報道によると、中国の砂漠化において、人為的要素を分析した結果、乱放牧がもっとも深刻な要素であると分析した。
報道によると、中国牧草区は長期にわたり放牧超過の現象があり、牧草はそのために急激に退化し砂漠化したという。内モンゴル、新疆、甘粛省において、過度放牧のため、牧草面積は急速に縮小している現状である。
一方、乱放牧の他に、乱開発、乱伐採、過度に水を使用するなどの人的破壊も原因として挙げられた。同時に、沙化区で漢方薬材料の採集および炭鉱の開発も深刻問題となっている。報道によると、四川省ガバチベット族姜族自治区のノアガイ県では、百種類以上の漢方薬の材料が豊富に生産されているが、採集時期になると、全国各地から十数万人が一気に同県の山に集まり、土を勝手に掘り起こしたり、植物をもぎ取ったりして土地の砂漠化をもたらしたという。
国家林業局の資料によると、中国では20世紀末以降、毎年3436平方キロメートルの土地が砂漠化しているが、これは5年ごとに北京市の面積が砂漠化し、利用価値を失っていることになる。
関係当局は砂漠化を止めようと努力しているという。第3次砂漠化監査測定結果によると、中国砂漠になった土地は毎年1,283平方キロメートルまでに減少した。