時代と民族を超える輪廻の旅(5)
ここまで紹介した輪廻研究は、学術上比較的厳格であるが、基本的には全て輪廻現象の描写と分析に集中しており、輪廻の本質にまで探索が及んでいない。正直なところ、現代の学校教育を受けた全ての人にとって、輪廻の概念は依然として不可思議なものであろう。
人々は普遍的に、現代の生物学は生命個体の形成、発育過程に対してかなり多くのことを解明していると考えている。精子と卵子が結合して受精卵になり、その後、受精卵が分裂し、細胞が増殖・分化し、胚胎が形成され、最後に個体に生育する。そして、それぞれの個体は成長、老衰し、最後に死亡すれば、それがその個体生命の永遠の終結である、と考えられている。もし、そのとおりであるなら、霊魂と輪廻の説は、生物学の中ではよりどころを見つけることが難しいであろう。
では、輪廻の説と、現代生物学の生命過程に対する解析を融合するのは、可能なのであろうか?
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