オスなしで生殖するシュモクザメ

【大紀元日本6月27日】米国ネブラスカ州の水族館で、一頭のシュモクザメの母親が、単性生殖により子供を生んでいたことが分かった。いわゆるオスの精子を必要としない単性生殖は、これまでに鳥類や蜜蜂、ヘビやトカゲなどに見られることは分かっていたが、サメで確認されたのは初めて。この発見は、絶滅の危機に瀕している動物を研究する上で大きな手掛かりとなることが期待されている。

英国の学術誌「バイオロジー・レターズ」5月23日付けの発表によると、2001年12月、ネブラスカ州ヘンリードーリー水族館で飼われていた3匹のメスのシュモクザメのうち、いずれかが子ザメを生んだ。北アイルランドのクイーンズ大学(Queen’s University Belfast)とフロリダ州・ノバ サウスイースタン大学(Nova Southeastern University)で構成された研究チームは、子ザメのDNA鑑定を行い、オスからのDNAを持っていないことを確認した。3頭は、メスだけで3年間飼育されてきており、オスとの接触はなかった。

研究チームのシフジ氏(Mahmood Shivji)は、「不幸なことに、この状況は生物にとってよくないことである。父親のほうの遺伝子の欠乏により、子孫の体内で遺伝子の多様性が減少してしまうからである」と話し、同チームのチャップマン氏(Demian Chapman)も、「父方の遺伝子がないと後の代の遺伝子の多様性の低下を招くだけではなく、さらに母方のもう半分の遺伝変化を子孫に残すことが出来ない。このことは、遺伝の多様性の破壊と、不完全な子孫を生みだすことを加速させるだろう」と話した。