日本の「孔子」伝

【大紀元日本7月6日】和辻哲郎さんは1989(明治22)年―1960(昭和35)年まで、71年の生涯を生きた人です。孔子の生涯73年にほぼ近かったのも、何かの縁でしょう。和辻さんは昭和13年に『孔子』を岩波文庫に発表します。孔子の論語が巷間に、広く読まれることを願ったからでした。

和辻さんは西洋哲学に精通した、モダンな倫理学者でした。大正8年に出版した『古寺巡礼』がヒットして、奈良の鄙びた風土を世に高らしめた先駆者です。日本の風土から生まれる倫理学に一直線に取り組みました。その和辻さんが、中国の風土から生まれた聖者・孔子に挑んだのです。和辻さんは倫理学者らしく、キリスト・釈迦・ソクラテスと並ぶ人類の大教師の一人として、「孔子」の特徴を解明します。

和辻さんは「朝(あした)に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」という、孔子の言葉に関心を寄せます。弟子の子路が死を問うた質問に、「未だ生を知らず、いずくんぞ死を知らむ」と答えた孔子の言葉に、それは重ね合わさるものでした。死や魂の永世を問わず、神秘主義を脱して生の道に徹した孔子の生涯に、自ずと共感を寄せたのです。

▶ 続きを読む
関連記事
脚だけが太く、痛みや腫れが引かない――それは「脂肪性浮腫」かもしれません。原因不明とされがちな症状に、低炭水化物食という新たな選択肢が注目されています。体験談と研究を通じ、日常でできる緩和のヒントを丁寧に解説します。
夜になると考えが止まらない、その悩みに答えがあります。専門家が示す「考えすぎ」の正体と、心を静める具体的な3ステップを解説。頭の堂々巡りから抜け出し、眠りと日常を取り戻すヒントが見つかる一編です。
北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の研究チームは、ニホンアマガエルなどの両生類や爬虫類の腸内に存在する細菌に、強力ながん抑制作用があることを突き止めた
古代中国の周代で行われた冠礼は、成人を年齢ではなく徳と責任の成熟で認める儀礼だった。日本の元服にも継承された「成人という身分」の原点を探る。
同じ家族でも異なる自閉症の姿――鍵は2つの遺伝的要因にあった。最新研究が示す遺伝の仕組みと、重度自閉症に希望をもたらす治療の可能性を丁寧に解説する注目記事。