エネルギーと水、食物の安定供給が人類最大の挑戦=米シンクタンク
【大紀元日本7月16日】米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」は数年前から事業者、学界および政界の専門家を招集し21世紀の重大な挑戦と、世界民主と自由発展の研究を行っている。専門家たちはエネルギー、水および食物の供給に対する不安を失くすことは人類最大の挑戦だとし、発展途上国および先進国が政策上折り合いをつければ世界各地の電力や浄水供給問題を解決できると指摘した。
シンクタンクの報告によれば、現在全世界で人口15億に対し電力供給がされていない上、10億を超える人々が安全な飲用水が供給されず、さらに24億人が環境衛生の良くない場所で生活している。さらに国連の推測を引用し、全世界60億の人口のうち飲食方面において3分の1は栄養バランスが取れており、3分の1が栄養不足、3分の1は栄養摂取過多だという。
エネルギー、水および農業問題は相互関係にあり、多くのエネルギーと生産は水力に頼っている。また大半の国では農業用水に使用される水源の割合は70%を占めている。近年ある作物はエネルギー生産として使用できるということから農産品に影響が出ているということだ。
国連を含む世界銀行およびその他の世界経済発展関連の国際組織は皆、エネルギー、水および農業問題を重視しており、理事会では専門家が米政府と民間が結びついた力は第二次世界大戦後のマーシャル計画に似ており、発展途上国が持つ問題解決の手助けとなると考えている。発展途上国のエネルギー需要は増加しており、この先20年、年間平均2・7%の成長が予想されている。このような状況下で世界の石油供給は切迫している。
また浄水不足により、世界では毎年胃腸疾患による死者が2万2千人に達しており、さらにマラリア患者は毎年3億人を超えると予想される中、アフリカでは毎年100万人が命を落としている。
世界各地の農業発展はさまざまな問題に直面している。多くの高所得国家では農業生産者は援助を受けており、ある国の生産量を抑えた農産物は都会価格に合わせられ、農業人口拡大への影響を図っているという話だが、保守的な輸入政策及び輸出援助は市場供給の混乱を起こすとの指摘を受けている。
一部の発展途上国では汚職問題がたびたび起こり、法令規則の不完全や組織の末端の建設および農業生産技術の向上不足に対し影響しているとのことだ。もしこれら生活の基本条件が改善できなければ途上国の国民生活上の問題は不安定な情勢を作り出し、民主と自由な発展には絶対的に不利である。報告は、先進国はこの問題を正視し、さらなるプロジェクト提供などの援助をすべきであると指摘している。