中国都市部の飲用水、半数以上不合格=国連報告書

【大紀元日本7月20日】中国国家環境保護総局の周生賢・局長は、現在中国の汚染が深刻と表明し、各環境保護機構が水環境の総合整備を重点中の重点として取り込むことを指示した。また、国連の経済協力機構の報告書も、中国の3分の1の川が厳重に汚染されて、主要都市で供給される飲用水の約半分は基準に満たしていないと指摘した。

国連の経済協力機構が7月17日に公表した報告書は、「中国の都市部で飲用水が汚染される最も重要な原因は、し尿処理の不備。もう一つの原因は、工業と農業生産による化学物質の汚染」と説明し、「最近、中国の飲用水の水質はすこし改善したが、今の浄水方法では、細菌の汚染を除去するだけで、細菌以外の汚染物質が除去されていない」と指摘した。

米国VOAは、「いま、中国で最も深刻に汚染されている河川は海河、淮河と遼河である。また、約4分の1の沿海水域は厳重に汚染されている。うち、渤海と東シナ海沿岸の状況は最も深刻」と報じた。

ワシントンにある「地球政策研究所」は、中国の飲用水汚染状況を専門に研究した結果、中国での飲用水汚染の主要な原因について、以下のように説明した。

①工業排水と汚染物質

中国の都市部の水道水供給は、河川と湖の自然水に頼っている。中国当局は欧米諸国のように、各河川や湖に、どこからの汚染物質が流入しているのかに関する詳細の調査・監督・記録がない。

②工業用石炭による汚染

工業と発電所で石炭を燃焼した後に残った固形廃棄物は、直接飲用水源に流れることはないが、燃焼により空気に入った排気ガスは、雨とともに地面に戻り、そして飲用水の水源に流れる。この問題は、中国において一つ大きな問題である。また、大量に石炭を使うと、酸性雨を発生させ、それも飲用水源に流れる。そのほかにも、し尿処理が不適切であるため、飲用水源を汚染している。

米国は世界で水源保護において最も成功した国である。地球政策研究所の部門責任者ジェニフ・ラソン氏は、「環境保護に関して、中国と米国の最も異なる点は、環境保護機構の規模である。米国では、環境保護関連機構の職員は1万7千人を超えているが、中国では、数百人しかいない。しかも、この数百人はほぼ北京に集中している。汚染の多発地区での現地調査、問題の処理などが非常に遅れている。そのため、中国当局は、汚染に対する監督と環境保護機構の人員や財政などの投入を大々的に強化すべきである」と見解を示した。

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